下水道の合流式と分流式の違いとは

下水道には、合流式と分流式があります。

分流式

汚水専用の管路と、雨水(「うすい」と読みます)用の管路を分けて、2系統の下水管を作ります。

雨水は雨水管を通り、汚水は汚水管を通るので、いくら雨が降っても両者が混ざることはありません。

分流式下水

分流式下水

合流式

太い管路が一本だけで、汚水も雨水も一緒に流します。

合流式の場合は、汚水と雨水が同じ管の中で混ざってしまいます。
その結果、次のような問題が発生します。

合流式下水

合流式下水

図の出典=http://www.city.yokohama.lg.jp/kankyo/gesui/bungouryuu/


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合流式下水道の問題点

合流式下水では、雨が降ると下水の水量が増えるので、大雨の場合には処理しきれれなくなるため、一部をそのまま未処理で河川や海に流してしまうことがあります。
その中には、汚水も混ざっていますから、汚水が処理されないで環境に流出する可能性があるのです。

2014sl3図の出展=http://www.horikawa1000nin.jp/katudou/2007-09-16-gouryusikigesui.htm

合流式がなぜ作られたか

管路の埋め込みが1本で済むので、建設費が分量式よりも安いのです。
環境汚染がそれほど深刻でなかった頃に作られた古い下水道に採用されましたが、最近の建設では合流式が採用されることはまずありません。

日本では、東京など古くから下水道が普及していた地域に多く見られますが、東京都下水道局では、老朽化による建て替えなどを利用して、積極的に分流式に変更しています。



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下水道の目的

汚染物質とはなにか

下水道と下水処理場の目的は、生活排水や工業排水が河川や海に流れ出す前に、その中の汚染物質を取り除いて、環境汚染を防止することです。

排水中の汚染物質というと、うんちやおしっこ(糞尿)をイメージする人が多いかもしれませんが、それ以上に厄介なものがたくさんあります。

生活排水では、調理の残骸(米の研ぎ汁、麺類のゆで汁)、選択や炊事の洗い物の界面活性剤、他には油類など。

工業排水では、食堂レストランの流しの廃水、食品工場の残渣、化学工場の廃液、製紙工場の排水などいろいろあります。

汚染物質のいたずら

これらの物質が、河川や湖、海に流れこむと、排水中の汚染物質が引き起こす環境汚染は、結果的にどんな状態を示すでしょうか。

  • 水が濁って臭くなる
  • アオコが増えてどろどろになる
  • 水草が育たない
  • 水中生物が育たない
  • 魚が住めなくなる
  • ヘドロが溜まる
  • メタンガスが発生する

こんな風にならないように、下水処理場では、粗ゴミをネットで取り除いてから、濾過で細かい粒子を取り除きます。

濾過された液の中に残っているのが有機物です。
主に、糖やデンプン、たんぱく質などの栄養分ですね。

有機物の処理とは

このような有機物による栄養素を自然環境に放流すると、富栄養化と言って上に列挙したような状況になるので、放流する前に微生物に食べさせて、水と二酸化炭素に分解します。

下水処理場には、下水をプールに貯めて下からぶくぶくと泡を吹いているばっ気槽という施設があります。
実は、あの泡は、有機物を食べくれる微生物に酸素を与えるために空気を送っているのです。

十分に酸素を与えてあげれば、好気性微生物が糖やデンプンなどを食べて無害な水と二酸化炭素に分解してくれます。
(酸素が足りないと、嫌気性微生物が発生してどろどろになり臭いメタンガスを発するようになります)

微生物の量は急に増えることは出来ませんから、有機物を分解する速度(分解する量)は一定です。
ここに、大雨で、合流式の下水管から雨水が大量に流れこんでくると、微生物によって分解する速度が追いつかなくなります。そうすると、十分に分解されない状態で排水が自然環境に出て行くことになるので、環境汚染につながります。

この点でも、合流式下水道は、問題になります。


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