ジャンベとは何か?その生産国はどこ?

ジャンベをご存知ですか。

ジャンベとは、もうなくなってしまいましたが、過去にパリダカ・ラリーで有名なダカールを首都とするセネガルや、昔、象牙海岸と呼ばれたコートジボワールなど、アフリカ西部地方で古くから使われた民族楽器の太鼓です。

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アフリカの民族楽器の太鼓には、主に低音を担当するドゥンドゥンやケンケニ、あるいはトーキング・ドラムとして知られているタマなどがありますが、ジャンベは高音・中音・低音の打ち分けができることから、ステージ音楽の伴奏楽器としても、近年よく知られるようになりました。


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そんな人気のジャンベのルーツをご紹介しましょう。

ジャンベ発祥の地その国とは

ジャンベが生まれたのは、西アフリカ地域です。

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マリ帝国

この地域を含む西アフリカ一帯は、1230年代から1645年まで栄えたマリ帝国の領土でした。
日本の鎌倉時代から江戸時代初期に相当する時代です。

ジャンベはギニア北東部がその発祥の地で、そこから西アフリカ一帯に広まったという説があります。

この時代にマリ帝国の共通の文化として、冠婚葬祭に用いられたアフリカ音楽が共有化され、ジャンベも普及したものと考えられています。

もともとは神聖な行事に際して演奏されていた楽器ですが、徐々に娯楽面にも広がります。

名前の由来は、マリやコートジボワールで話される『バンバラ語』で『ジェベバラ』(ジェベ=調和、バラ=太鼓)と呼ばれていたものが、各地で、ジェンベとかジンベとか変わっていったものと考えられています。

広い地域なので、ジャンベについても形状や素材について、地域特性が見られるようになりました。

マリ帝国滅亡の後、小王国が乱立した時代が続きますが、1890年頃に欧州列強に屈してこの辺はフランスの領土となります。

やがて植民地の時代が終わり、1960年台に入り、この地域では各国がフランスから独立しました。
ジャンベの地域ごとの特性は、生産国別の特徴となって継承されています。

生産国別の特徴

サイズが同じであれば、樹木の材質による音の違いはあまりありません。

生産国ごとにデザインの違いがあり、それが低音の伸びや高音のキレなど音質に与える影響はあるようです。

国別の特徴的な形状をシルエットで示します。

ギニア

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海岸付近は熱帯雨林がひろがり、樹木の数は多い国です。
日本では、オスマン・サンコンさんの出身国としても知られています。
また、ジャンベを世界的に広めた演奏家、ママディ・ケイタさんの出身国でもあります。

ジャンベ発祥の地と言われており、ギニアサウンドとして人気があります。

角ばったカップと裾広がり気味な足がシルエットの特徴です。

キレのいい高音とよく抜ける中音、低音がはっきりしていてサスティーンは短め。
ダイナミックな響きで力強い造型のギニア製ジャンベです。

一時、日本では入手が困難な時期がありました。

ブランドとしては

  • 『ムンガム工房』
  • 『ババ・バングーラ工房』

があります。

コートジボワール

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以前は『象牙海岸』と呼ばれていましたが、1985年に国名を意訳しないでフランス語発音を使って欲しいとの要望で現在の国名になりました。

ギニアジャンベに似た角ばったシルエットで、以前は日本でジャンベといえば、コートジボワール産が多かったのです。
コートジボワールのジャンベのシェル材質は、殆どが軽量な『イロコ』です。

中高音は丸みのあるサウンドで豊かで暖かみがり、柔らかく響く重低音はサスティーンが短いものが多いです
中音がよく鳴り高音との区別が明瞭になので、音作りがしやすく初心者にも向いています。

ブランドとしては、

  • 『カンバラ』(KAMBALA PERC)
  • 『トライバルビート』(TRIBAL BEAT)

があります。

セネガル

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アフリカの西端の国で、ガンビア・イスラム共和国を三方から取り囲んでいます。

かつてのパリダカ・ラリーのゴールだったダカールのある国といえば分かりやすい人もいらっしゃることでしょう。

セネガル・ジャンベのシルエットは、深く大きなカップと短い足が特徴的です。

ジャンベはセネガル本来の楽器ではなく、マリのセグ地域からセネガル内陸部のタンバクンダのほうにドラマーが移住して、伝えられたもののようです。

音質は、ハイトーンのアタック音(叩いた瞬間の衝撃音)が突出しており、サバールのバチ音に対抗して発達したという説が残っています。

ブルキナファソ

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西アフリカの内陸国で、砂漠化が深刻な地域ですが南部周辺には森林がわずかに残っています。

ジャンベのシルエットは、大口径のカップが印象的です。

マリの近くの地域でジャンベが広まっており、大口径でやわらかい低音が特徴的で、ジャンベメインの演奏よりバラフォンを中心とした音楽の伴奏などに使われます。

マリ

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国土の北半分はサハラ砂漠につながる砂漠地帯であり樹木の育成は難しく、ジャンベ文化は南部のギニアに接する地方で発達しました。

マリ・ジャンベのシルエットは、優雅な曲線で描かれた美しいゴブレット型が印象的です。

低音はかなりふくよかな太くはっきりした響きが特徴。
中音はハッキリ聞こえる心地よい中音、高音は多少金属音ぽい感じがあります。

高音のサスティーンは長めで、低音から高音までバランスの良いものが多い。

メーカーは、次の3つがあります。

  • 『カンガバ』(KANGABA)
  • 『ワスルー』(WASSOULOU PERCUSSIONS)
  • 『ダバ』(DABA)

インドネシア

伝統的なジャンベの生産国ではありませんが、近年、インドネシアでもジャンベが生産され、日本にも輸入されています。

もちろん演奏にも使えますが、民芸品的な装飾目的のものも多数見受けられます。
装飾用に、美しく彩色したり、ロープを芸術的に編んだ製品は、観賞用と割りきったほうが良いかもしれません。

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バリ島で生産したジャンベを、『バリジャン』などと呼ぶこともあります。


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天然木の種類

ジャンベの胴(シエル、ボディ)に使われる樹木は、どれもアフリカに自生している大木で、日本で採れるものではありません。

アフリカ産の木は、いずれも比重が0.65〜0.9ぐらいと非常に高く、密度が高いのも特徴で、比重が高いと必然的に重く硬い材質になります。

樹木の種類によって音質の違いがあるのかどうかは、よく議論されるところですが、同じサイズで同じような羊の皮が張られていれば、あまり材質の差はないようです。

材質よりも、国別のカップの深さなど形状の違いや、ヘッドの材質のほうが、音質の差を生む要因になるようです。

日本には和太鼓という伝統的な打楽器があり、和太鼓には「ケヤキ」材が使われています。
和太鼓をアフリカ産の木材で作るとまた違った音がするのでしょうか。

ちょっと興味がありますね。

レンケ(別名:レンゲ)

ジャンベと言えばレンケと言われるくらいにポピュラーな材木です。

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赤茶褐色をしている木材で弾力性に富んでいます。

皮の耐久性を無視してピチピチに張り上げて、ハイトーンを出すにはレンケが向いているようです。

多くのジャンベ生産国で使われています。

ドゥグラ(別名:ドゥキ、ベン、ディンバ)

やや黄色っぽい樹木で、重くて、ゴツイようなイメージです。

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高音の抜け・中音の腰の太いサウンド・ワイルドな低音。
高中低音のバランスが抜群に良いといわれています。

ギニア産、マリ産などのジャンベに使われます。

ゲニ(別名:ハレ、バラフォン、ベン、カディ)

マーブル柄の木目が美しい高級木材。

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重くて硬いので、耳障りな帯域を吸収し、キレのよい音を作り出します。

ギニア産、マリ産、ブルキナファソ産などのジャンベに使われます。

アカジュ(別名:アカジョ、ジャラ、レッドウッド)

アカジュは「赤樹」からきているという説もあるほどに
(Acajouのスペルで書かれるのでたぶんウソです)、材の色味は赤茶褐色をしています。

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非常に硬く木の成長が遅い、高級な木材です。
「アカジュ」は「アフリカンマホガニー」という名前で日本で流通していることもあります。

赤道に近いアフリカや東南アジアではこのマホガニーのように赤味が強い木材がとれます。

高音のキレが良いです。

マリ産などのジャンベに使われています。

ソウ

硬質で濃い赤紫の木。
重量があり扱いが難しい反面、扱えるようになると手放せなくなります。

20160904sou2色見本。木目は表現していません。

高音は硬質な高い帯域で、低音は迫力の音質です。

メリナ

軽く木の成長が早いので、植林が多く環境にもやさしい。

20160904merina色見本。木目は表現していません。

軽強度的には頑健とはいえずメンテナンスが重要な木材ですが、きちんとメンテすれば長持ちします。

マリ産をはじめ各地のジャンベに使われます。

イロコ

アフリカ原産の材の特徴ともいえる樹高が高く、幹直径が1メートルを超える大木です。
レンゲの仲間の木で、林が多く、レンゲよりやや軽くてやわらかいのが特徴です。

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コートジボワール産のジャンべはほとんど、イロコだと言われるほどです。

「アフリカンマホガニー」に比べると赤味は少なく黄褐色の色味をしています。
木目の感じがチーク材と似ているので、家具にもよく使われている木です。
アフリカ材としては比較的柔らかい部類の木材なので、彫刻の材料として使われることも多いようです。

トゥウェネボア

比較的軽量な木材です。

20160904twin色見本。木目は表現していません。

とても軽く扱いやすいので、初心者におすすめします。

ガーナ産のジャンベに使われます。

まとめ

一口にジャンベと言っても、生産された国や、使われた材料によってかなり違う製品になることは理解されたでしょうか。

ジャンベの魅力は、なんと言っても音質にあります。

  • 静かに重く響く重低音
  • 軽やかリズムを奏でる中音
  • 飛び跳ねるような高音

少なくとも、この3点を打ち分けることが必須条件になります。

各国を代表するジャンベであれば優劣の差はありませんが、好き嫌いは人の感情ですからどうしてもあります。

例えば、ブルキナファソのジャンベは、主役向きではありません。
重低音にこだわりすぎるあまり、高音のキレがイマイチにならざるを得ないのです。

わたしの主観ですが、
日本で一番知名度が高いのはコートジボワール
一番人気があるのはギニア
信頼性が高いのはマリ
かもしれません。

いずれにしても、現地の職人さんの手作りのジャンベは、心の音が響いてくるようです。

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