消火器の点検期間は内容によって違います。

消火器破裂事故が頻発

2009年(平成21年)9月に、紹介の破裂による負傷事故が4件連続的に発生しました。

  • 大阪府大阪市
  • 福岡県行橋市
  • 愛知県一宮市
  • 千葉県船橋市


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さらに翌2010年2月にまた破裂事故が1件発生しましたのです。

  • 滋賀県栗東市

いずれも製造後20年以上を経過して老朽化した消火器で、容器本体底部が破損して破裂したものです。

短期間に連続的に発生したこれらの破裂事故は、消防行政に衝撃を与えました。

これらの事故を踏まえて、2010年(平成22年)12月に消防法に伴う総務省令が改正されたのです。

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消火器関連用語の簡単な基礎知識

点検期間の説明に入る前に、簡単な消火器関連用語の基礎知識を書いておきます。
これが分からないと、このあとの説明が分からなくなりますからね。

加圧式消火器と蓄圧式消火器

消火器の加圧方法の種類として「加圧式消火器」と「蓄圧式消火器」があります。
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画像出典

加圧式は、通常は消火器本体に圧力がかかっておらず、使用時に加圧ガスボンベから急速に加圧する構造です。

一方、蓄圧式は平常時から圧力がかかっています。

消防庁では、次の2点から蓄圧式消火器の普及を勧めています。

  • 構造が簡易で価格的に安い
  • 本体に欠陥があれば早期に漏れて検出できるので安全性が高い

二酸化炭素消火器とハロゲン化物消火器

一般的な消火器は、粉末式か強化液式ですが、二酸化炭素消火器とハロゲン化物消火器は構造が異なるため点検規格も別に定められています。

特に電気火災や水を嫌う特殊な危険物のための特別な消火器なので一般的ではありませんから、ここでは説明を省略します。

防火対象物とは

消防法で「消火器の点検と報告」が義務付けられているのは、「防火対象物」の関係者です。

「防火対象物ってなんだろう」と言う疑問が湧いてきます。
我が家の消火器は、関係ないのだろうか?

「法定資格者が点検をしなければならない防火対象物」とは、人が集まる施設です。

面積や収容人数等よって規制の幅はありますが、一部を紹介すると概ね次のような施設です。

  • 劇場、映画館、公会堂、カラオケボックス
  • 料理店、飲食店、旅館、ホテル
  • 百貨店、マーケット、モール
  • 寄宿舎、下宿、マンション
  • 病院、診療所、老人短期入所施設
  • 学校、図書館、博物館、美術館
  • 駅、地下街、アーケード
  • 神社、寺院
  • 工場、作業所

これらに該当しない一戸建て住宅は、消火器の点検や報告の義務はありません。

住宅用消火器と業務用消火器

「消火器の点検と報告」が義務付けられているのは、「防火対象物」の関係者ですが、一般家庭でも消火器を設置しましょうということで一般家庭向けに「住宅用消火器」が発売されています。

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画像出典

ご覧のように、業務用消火器と比べると、カラフルで、俗的に表現すると「カワイイ」消火器です。

住宅用消火器は、

  • 廉価な構造(蓄圧式で再充填できない)
  • 破裂の危険が少ない(蓄圧式)
  • 消火剤の再充填は出来ない(内部点検不要)
  • 「住宅用消火器」と表記する蓄圧式消火器

です。

経過処置

古い規格で生産された2010年(平成22年)以前の消火器は使用禁止になりますが、急に言いわれても困るだろうという配慮から、10年間の経過処置を定めて、2021年(平成33年)末までは使用が認められています。

古い消火器のための点検基準は現行製品とは別に定められているので、経過処置経過期間は点検の基準がややこしいことになっています。

この記事では、古い規格の消火器については、記載しません。


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誰が点検するのか

総務省令で定めるもの(施行令第36条)では、法定資格者(専門家)が点検しなければなりません。
その他のものは、自らが点検します。

総務省で定めるものってなんだろう。
法定資格者って誰だろう。

総務省令で定める防火対象物とは

上に挙げた防火対象物のうち比較的大規模な施設を指します。
例えば、1,000㎡以上の百貨店や劇場などです。

これらの大型施設は、専門家による点検をして、管轄の消防署長や消防長に報告しなければなりません。

大型に該当しない施設は、資格がなくても構いませんが自らが点検をして報告しなければなりません。

法定資格者とは

乙種第6類の消防設備士

消火器やスプリンクラー設備などの消火設備の設置工事、点検整備を行うことができる国家資格です。
試験を受けて資格を取得するのですが、甲乙があり、乙は工事ができず点検のみで、乙種第6類は消火器の点検をする資格です。

第1消防設備点検資格者

消防用設備等の点検を行うことができる国家資格です。

  • 第1種:スプリンクラーや消火器などの消火設備の点検
  • 第2種:警報装置や非難装置の点検
  • 特殊:即別な種類

があります。

同じような資格が2つありますが、この違いはここでは重要でないので略します。

点検の内容

  • 設置状況(目視検査)
    通行のじゃまにならないように、かつ、すぐに使えるように置かれているか。
    間隔は20m以下
  • 消火器の外形(目視検査)
    外観的に傷や凹みなどの変形がないか
    表示事項が剥がれていないか
  • 消火器の内部および機能(目視検査、計量検査)
    内部の状況
    消化薬の性状、重量など
  • 消火器の耐圧性能(水圧検査)
    規定の内圧を付加して、変形や漏洩がないか
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    画像出典

点検の期間

  • 設置状況(目視検査)、消火器の外形(目視検査)
    半年ごとに全数検査する
  • 消火器の内部および機能(目視検査、計量検査)
    蓄圧式の内部検査は製造後6年目からスタートする
    加圧式の内部検査は製造後4年目からスタートする
    畜圧式も加圧式も、スタート後、半年ごとに10%の抜き取り検査
    畜圧式も加圧式も、製造後10年を過ぎたら、半年ごとに20%の抜き取り検査
  • 消火器の耐圧性能(水圧検査)
    製造後11年目にスタートする
    スタート後、3年毎に全数検査

住宅用消火器の点検は

住宅用消火器は点検報告の義務はありません。
また、構造的に内部点検もしにくいので外観点検だけになります。

しかし、

  • 押し入れの中に入っていて探せない
  • 観葉植物が邪魔で取り出せない
  • 火元が近すぎて近づけない

などの不都合がないように、取り扱い説明書に従って、定期的な自主点検をすることをおすすめします。


なんでも調べる『いろはに情報館』です。 熟年の知識と含蓄で古いものほど得意です。 ネット上にあふれる種々雑多な情報をプロのテクニックで検索して分かりやすく整理してお届けします。


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