サイコロの目の確率は均等ではありません!実は一番出やすいのは5
一番出やすいサイコロの目は、実は『5』なのです。
サイコロは立方体なので、どの目でも同じ確率だと思っていませんか。
完全に均質な立方体ならどの目でも確率は1/6ですが、重心位置がずれると出目の確率が変化してしまうのです。
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重心位置が変わるって、どういういこと?
インチキ賭場で、『1』の目が出やすいサイコロがありました。
中を割ってみたら、鉛のおもりが仕込んであった。
下図のようなものです。
『1』の面の反対側に近いところに、おもりを仕込んだとします。
下の図のように。
なぜ、このサイコロで『1』が出やすいか。
このサイコロを振って、『1の面』と『2の面』の中間で45度の状態になったと仮定してみましょう。
正しいサイコロなら、『1』が出るか『2』が出るかの確率は、50:50のはずです。
ところが、イカサマサイコロではおもりが作用します。
おもりが重心位置をずらしているので、『2』の面にはならず『1』の面が圧倒的に出やすくなるのです。
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市販のサイコロはどうなっているのか
実際に日本で市販されているサイコロは不均等なのです。
さすがに鉛のおもりは入っていませんが、重心が偏っているのです。
その理由は、目を表示するために穴を掘っていますね。
その分だけ体積が減って軽くなるので、重心位置が変わるんです。
標準的な1辺の長さが8mmのサイコロで、穴の体積部分の重さを計算してみました。
結果は、下の図のように、穴の部分の重さ(体積)は、かなりバラバラなのです。
問題になるのは、向かい合った2つの面のバランスです。
対面の重さの差を調べると、このようになります。
『5』の目と『2』の目のバランスが悪いことが一目でわかりますね。
穴の体積分だけ軽くなるので、『5』の目が最も出やすい計算になります。
計算上の確率はどうなる
理論計算をしてみると、
- 『5』の目が出る確率は16.72%で
- 『2』の目が出る確率は16.11%で
- 均質なサイコロであれば、16.67%
なので、わずかな差ですね。
1万回振った時に、均等なサイコロならどの目も1667回出るはずですが、この計算によると『5』の目が5回多くなり、1672回出ることになります。
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実際にやってみたら
サイコロを1万回振るのは大変な時間がかかります。
今、試しに2分間サイコロを振って記録してみました。
48回振ることが出来ましたので、1分間で24回です。
もしこの速度で1万回振ると、417分=約7時間かかってしまいます。
そこで、1万個のサイコロを同時に坂の上から転がして、出た目の数を集計する方法でやってみました。
10時間以上掛かったので、手で振ったほうが速かったようです。
結果は、理論上出やすい順に並べると次のようになりました。
- 『5』1,698個(理論計算では1,672個だから誤差+26)
- 『1』1,783個
- 『4』1,677個
- 『3』1,633個
- 『6』1,617個
- 『2』1,592個(理論計算では1,661個だから誤差-69)
以上のような結果となり、『5』と『1』の確率が、理論計算と実験では逆転してしまいました。
目次に戻るまとめ
『5』の目がでる確率が、理論計算では1,672回ですが、実際にやってみたら1,698回でした。
26回多いのですが、26÷1,672=0.0156
つまり僅かに1.6%の誤差なのです。
自然現象を相手にした実験で、誤差が1.6%ならば、非常によく理論が実証されたとエンジニアならば納得できるのですが、賭け事を扱う人にとっては、満足できないでしょうね。
この記事は、「トリビアの泉」の放送内容を参考にして作成しました。
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コメント
1万個のサイコロを転がしたのなら、その写真をアップしたほうがウケそうです。
saiさん、コメントありがとうございます。
なるほど、そうですね。
著作権が心配ですが、出典を明らかにして画像を貼り付けてみました。
苦情や警告が来たら、すぐに削除します。