味覚には4つの種類があり、
それぞれ舌の上で
感じやすい分布図、
つまり味覚地図があると
認識している人も多ことでしょう。
「舌の味覚分布図」とか
「味覚分布地図」
などと呼ばれていた図です。
甘さ、苦さ、酸っぱさなどを
感じやすい場所が決まっている
と言う説ですが、
実は大嘘で間違いだったようです。
ネット上には今でも、
歯科医師とか専門的なサイトにも
同様の図が掲示されていますが、
出典や由来などは曖昧です。
間違いの元はなぁに
Wikipediaによると、
これらの図に示されるような
味覚分布地図の根拠はなく、
20年以上も前の
1990年頃に否定されて、
間違いであることが
明らかになっています。
味覚試験方法としては
「ろ紙ディスク法」が
現在広く実施されています。
(その方法は巻末に)
この試験方法を使えば、
味覚の感度分布は
容易に解明することが出来ます。
その結果、
味覚分布地図が
間違いであることが
分かっています。
この、「味覚分布地図」の理論は、
「嫁と義母」または
『婦人と老婆』と呼ばれる
隠し絵(だまし絵)
で有名な、
ハーバード大学の心理学者
エドウィン・ボーリングによって、
1942年に出版された
「実証心理学の歴史における感覚と知覚」
という書籍で
一般に広まったといわれています。
エドウィン・ボーリングは、
1901年にドイツで出版された
ドクター・ヘーニックの論文を
翻訳引用したのですが、
ここに間違いの元が
あったようです。
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味覚はどこで感じるのかな
味覚分布地図がウソだとしたら、
実際には
どのように感じるのでしょう。
実は、甘さも苦さも酸っぱさも
どの味も
舌の全領域で感じるのです。
ただし、舌の場所によって、
味覚を感じる強さは
違いがあります。
一般に先端の方が
感じやすいようですよ。
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味覚細胞は、甘さや苦さの担当が分かれているのか。
味覚を感じるのは、
味蕾と言う細胞ですが、
ひとつ味蕾の中には
「甘さ」
「酸っぱさ」
「辛さ」
などを感じる受容体が存在して、
一つの味蕾がすべての味を感じて、
神経に味の情報を送っています。
味蕾の役割は皆同じですから、
酸っぱさ専門の味蕾とか
甘さ専門の味蕾などは
存在しません。
味によって
感じやすさの分布が生じることは
理論上ありません。
ただ、味蕾が多い部位では
どの味についても
感じやすい(感度が高い)
ということはあります。
ろ紙ディスク法とは
味覚の感じ方が
どの程度であるかを
調べる検査です。
舌の上に所定の部位に
- 甘い
- 塩辛い
- 酸っぱい
- 苦い
の4つの味の溶液を浸した
小さな”ろ紙”を置きます。
そのときに、どの味質であるかを
答えてもらいます。
- 甘さは、精製白糖
- 塩辛さは、塩化ナトリウム
- 酸っぱさは、酒石酸
- 苦さは、 塩酸キニーネ
それぞれ、濃度の薄いものから
濃いものまでを調整します。
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まとめ
都市伝説というには、
あまりにも、長期間に渡って
信じられてきた話です。
わたしも、
この記事を書くまでは、
舌の先端が甘味を感じるものだ
と信じていました。
世の中には、
誤った知識が広まっていることが、
たくさんあるものですね
間違った知識の例⇒ 好きの反対は無関心って!マザーテレサの言葉なの?
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コメント
こちらのブログで使用している舌マップ「舌の味覚分布図」を使わせてもらってもよろしいでしょうか?
加藤さんには、直接返信いたしました。