動物を数えるときには「匹」「頭」どっちですか?
普段、犬・猫は1匹2匹と言います。
馬や牛は1頭2頭と言います。
でも大きい犬は1頭だった気がするような。
目次
「匹」で数えるのは、
昆虫類、魚類、両生類、小型の爬虫類、小型の哺乳類
調べてみると匹という字は馬のお尻が左右ふたつに分かれているからの造形から来た文字のようです。
でも馬は匹と数えません。
さて、動物というと哺乳類を思い浮かべますが、「匹」はいろいろな動物に使われています。
昆虫類は、「匹」で数えます。
でも、学術的には「頭」です。
日常で、「トンボを2頭」捕まえたなんて言っていると、オカシイと思われちゃいますね。
魚は、活きて泳いでいるうちは「匹」ですが、食材になると「尾(び)」で呼ばれることが多いです。
ヒラメは活きていても「匹」ではなく「枚」と数えます
両生類は、「匹」ですね。
「カエル」、「イモリ」、「サンショウウオ」などは「匹」です。
最も大型の両生類がオオサンショウウオですが、やはり「匹」のようです。
爬虫類は、小型のものは「匹」ですね。
「トカゲ」、「ヤモリ」、「亀」、「蛇」など。
蛇は「本」で数えることもあります。
「ワニ」とか「恐竜」とか大きいものは違いますね。
なお、恐竜の骨格標本などは「体(たい)」になり、系統が異なります。
哺乳類は、小型のものは「匹」で数えます。
「犬」、「サル」、「猫」、「ウサギ」など。
でもウサギは「羽」とも数えます。
これも諸説あリますが、昔は四足の殺生はいけないが鳥は食べたので、うさぎを「羽」で数えて鳥の仲間だと、無理な理屈を付けたとの説がかなり有力です。
食べるためだけで「1羽」と数えたのか。
ひどい話ですね。
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「頭」で数えるのは、
大型の魚類、大型の爬虫類、大型の哺乳類
明治以降の英語の「head」を訳して頭になったとも言われていますが、諸説あり定かではありません。
輸出入の通関書類には、2つの動物に対しては大小にかかわらず「2HEADS」と記入します。
「頭」になると大型の動物に限られますから、両生類はいなくなります。
魚類でも、大型のものは「頭」と数えます。
例えば、最大の魚類である「ジンベイザメ」のほか、大型のサメ類、マンボウなど。
マンボウは平べったいので「枚」とも数えられます。
捕獲されたマグロは「本」といいますね。
爬虫類も、大型のものは「頭」と数えます。
大型の爬虫類って、例えば「ワニ」とか「コモドオオトカゲ」なんかは「頭」です。
ウミガメはどっちかなぁ。
NHKによれば、ウミガメの数え方の細かい規定はなく、状況に応じて「頭」でも「匹」でも良いということです。
哺乳類は、大型のものは、「頭」と数えます。
主に大きさで分けるものとされていますが、別の基準の説もあります。
蹄がある動物は「頭」とか。
家畜は全部「頭」とか。
大型の動物と言えば、犬なら「セントバーナード」ですが、警察犬の「ジャーマン・シェパード」や軍用犬でおなじみの「ドーベルマン・ピンシャー」などは「頭」ですね。
その他に、「牛」、「馬」、「羊」、「やぎ」、「ラクダ」、「ライオン」、「トラ」、「イルカ」、「シャチ」など大きいものはすべて「頭」です。
サルの仲間でも、「ゴリラ」などは1頭になります。
意外な「頭」とは
学術的には昆虫は「頭」で数えます。
学術的に貴重なものも「頭」と数えます。
動物園では大小にかかわらず全部「頭」と数えます。
時には、人間も「頭」になります。
頭数(あたまかず)を揃えるとかね。
蚕は、「頭」です。
そう、あの絹を作り出す虫の蚕。
蚕は1頭2頭と数えます。
「家畜」の部類にはいるためでしょうか、「貴重な昆虫」だからでしょうか。
蚕は昔に日本の輸出用の絹を作るために国策として大変栄えました。
世界文化遺産になった富岡製糸場もあって当時は大変な産業の一部だったので、大事にされて1頭と数えたようですね。
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「匹」と「頭」の大きさの境界は
小さい犬は「匹」ですが、大きい犬は「頭」
実は、イノシシも「匹」でも「頭」でも良いのです。
では、その区別の境界の基準は何でしょうか。
はっきりした区分はありませんが、一つの有力な説があります。
それは、人が抱っこ出来るかどうか。
普通に抱っこできる動物は、「匹」で数える。
抱っこが難しいほど大きい動物は「頭」で数える。
「どちらでも良い」という区分があるくらい曖昧なものです。
童話、「3匹の子豚」が大きくなったら「3頭の大豚」に変わるのでしょうか。
明確な定義はみつかりませんが、どうやらこの辺が境界のようですから、この記事の結論とします。
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中国では
中国の数量詞は、日本とはだいぶ違います。
匹=馬、騾(ラバ)
頭=牛、羊、虎、ラクダ
只=猫、さる、うさぎ
条=蛇、犬(只でも良い)
個=人
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