小論文の書き方のコツと800字の例文

小論文は文学作品ではありません

小論文とは原稿用紙2枚程度にまとめる試験課題の一つの方法です。

小説や詩歌のような文学作品ではありません。
また、実験レポートや調査の報告書でもありません。

「小」が付いているとはいえ、論文ですから、仮説を立てて自論を展開する形をとらなければなりません。

通常は、100分程度の制限時間が設けられていることが多いので、もたもたしていると時間が足りなくなります。

ここでは、比較的多く見られる出題形式である800字(原稿用紙2枚)を例にして小論文の書き方のコツを説明します。

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テーマ選定

小論文では、課題を与えられてその中から自分なりのテーマを選ぶことが必要です。

課題は、単純に項目を示す場合と、課題文章を読ませる形になっている場合とがあります。

例えば、朝日新聞の「天声人語」を読ませて、あなたの意見を書きなさいというような出題です。

課題の中から、論ずべきテーマを選び出すのが最初の作業です。
ここで注意すべき点が3つあります。

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テーマに対する結論が常識的に固まっていないこと。

つまり、結論が一方的で議論の余地がないようなテーマでは論文にはなり得ないのです。
例えば、少子高齢化対策として、

「姥捨山思想を復活して高齢者を減らすことの是非について」

などと取り上げても、現在の日本では姥捨山を「是」とする論理が通るはずもなく、仮にあなたが「是」とする結論を導けば 、非常識な思想の持ち主と判断されて不合格になるのが目に見えています。

テーマ選定については、常識的な是非論が6:4か、せめて7:3程度には拮抗していることが条件となります。

例えば、前述の少子高齢化対策については、「高齢者の労働力を活用する」というテーマにすると、高齢者への負担とか、労働力の質の低下などの問題に展開して、その先の是非論は、賛否両論が予想され自論を展開する価値が現れてきます。

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壮大なテーマを選ばないこと。

高々100分間で800字の論文ですから、天下国家を論じる壮大なテーマに取り組んでも、読者を説得できるほどの論理展開が出来るはずがありません。

身の丈を知って、制限時間内に論理展開が出来るテーマを選びましょう。

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社会性のあるテーマを選ぶこと。

少子高齢化対策の課題に対して、あなたのおじいちゃんの健康問題だけを取り上げても他の人には関心がありあません。

論理展開の一例として取り上げるのは構いませんが、メインのテーマにはなりませんね。

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最初に結論を明確にすること

書き始める前に結論を明確にする必要があります。

書きながら考えて結論を導き出そうとすると、論理展開がこじれてしまい、収拾がつかない文章になってしまいます。

理屈はともかく、結論を決めましょう。

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テンプレートに当てはめてあらすじを作る。

NHKのEテレで放送されたテンプレートが良くできているので紹介します。

だろうか、たしなよ

20160225a

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だろうか

課題からテーマを選び出して問題提起をする部分です。
「AならばBであると言えるのだろうか
と言う感じです。

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たしかに

自論に対する反対意見を取り上げて一定の理解を示すことで、知識の幅を示します。
しかに、AがCに変化してBになる可能性は否定できない」

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しかし

「たしかに」で反対意見を示したが、それに対する自論を示す部分です。
かし、AがCに変化する確率は極めて低いのが現実である」

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なぜなら

自論の内容を論理的に展開する部分で、小論文の本文になるところです。
ぜなら、自然界においてCの状態で存在し得る条件は極めて稀なので、現実的にCからBへ変換を期待するのは無理がある」

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よって私は

最終的に結論を書いて論文をまとめる部分です。
って私は、AならばBであるとは言えないと考える」

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分量の比率

文字数は800字の小論文の場合です。

あらすじを作ったら、肉付けをして論文を完成させますが、「だろうか、たしなよ」の文字数の目安を知っておきましょう。

中心となるべき本文は、「なぜなら」の部分になります。

ここには、全体の文字数のおよそ半分のボリュームを注ぎ込みます。

このように、各パーツの文字数の目安を決めておくことは大事なことです。

だろうか・・・10%(80字=4行)
たしかに・・・10%(80字=4行)
しかし・・・・20%(160字=8行)
なぜなら・・・50%(400字=20行)
よって私は・・10%(80字=4行)

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天声人語の出題例

下の文章は、2015年12月19日の朝日新聞の天声人語です。

「この文章を読んで、デジタル機器と文字との関わりについてあなたの考えを800字以内で述べなさい」

こんな課題の小論文に対する解答を考えてみましょう。

本来であれば、ここには天声人語の原文が入りますが、新聞記事の転載は著作権侵害になりますので、要約だけを掲載します。

天声人語の要約

文章作成は印字とメールのご時世で、手書きの文字の機会がめっきり減ってしまったが、手書きの手紙はもらってうれしいものだ。
デジタル機器に慣れてしまって頼り過ぎると、思わぬ失敗をすることがある。
古典的な手紙の笑い話で「恋しい恋しい」を「変しい変しい」と間違えたラブレターがあるが、デジタル機器ではありえないだろう。
もうすぐ年賀状の季節だが、年賀状は、いくぶん畏(かしこ)まった字で書いてみたいものだ。

0-07

課題文章の要約に多くの文字数を使う人がいますが、それは間違いです。

引用したい部分があれば構いませんが、課題文章を要約してもあなたの論文としての価値には、何の関係もないことですから、貴重な文字数を無駄に要約に使うべきではありません。

そもそも試験監督者は、課題文など暗唱できるほど読んでいるのですから、そこを説明する意味はありません。

小論文の試験では、論文の主旨が判断されるのではないのです。

もちろん、常識から外れた極論を書けば人格を疑われますが、是か非か意見が別れるようなテーマであれば、結論をどちらに導いても採点には関係ないと思ってください。

ここで需要なのは、論理展開がきちんと出来ているかどうかなのです。

そこで論理展開を正しく導くのが、「だろうか、たしなよ」のテンプレートなのです。

では、実際に、小論文を書いてみましょう。

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「だろうか」の部分

まず、テーマを決めなければなりません。

「デジタル機器と文字との関わり」という壮大な課題の中から、小論文でまとめられる程度の小さなテーマを探しだすことです。

いろいろ考えられますね。

  • デジタル機器は日本語を破壊するのだろうか
  • 手書きの年賀状はワープロ年賀状より価値があるのだろうか
  • ネット社会が庶民文学を発達させるだろうか
  • デジタル機器が文字の障害を取り払うのだろうか

などなど。

sc_097A

結論を導きやすいテーマとして、こんなテーマを選んでみました。

 ワープロを使えば、文字が下手な小学生でもきれいな文書を作成できるので、あたかも国語力がアップしたように見えるが、小学生にワープロを学習させるべきだろうか

だろうかの導入部分は、80字程度なので、このくらいのボリュームになります。
実際の文字数は、先頭の字下げを含めて78字なので、ほぼ4行いっぱいになります。

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「たしかに」の部分

ここでは、自分の主張の反対意見に理解を示して、知識の幅広さを見せるところです。

この論文の結論は、小学生には学校ではワープロ学習を指導すべきではないことにしますので、ここでは、ワープロの指導をすべきだとの意見を書くことになります。

予定している文字数は80字程度なので、こんな感じですね。

 たしかに、小学生にワープロを指導することによって、文字の巧拙に左右されず、文章そのものを教えてプレゼンテーション能力を高めることが出来るメリットはある。

これで、77字(先頭の字下げを含む)です。

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「しかし」の部分

ここでは、自分の結論を提示するパートです。
この文字数は、160字の予定なので、少し詳しく書くことが出来ます。

 しかし、小学校の特に低学年におけるプレゼンテーション能力は必ずしも文章にする必要はなく、口頭で意志を表現するトレーニングでも十分に賄えるものである。さらに、正しい文字を書けずに正しい日本語を覚えられるとは思えない。ワープロの早期教育は、正しい日本語学習の妨げになるので小学生では導入すべきではない。

これで150字(先頭の字下げ含む)です。

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「なぜなら」の部分

この論文の本文ともいうべき部分です。

原稿用紙1枚分を全部使って、400字で自論を展開します。

 なぜなら、デジタル機器は、漢字書き取り能力を著しく低下させるからである。デジタル機器普及によって連絡手段は電子メールになり、報告書はワープロで提出し、文字を書く機会が少なくなったことで、ビジネスマンでも明らかに漢字の筆記能力が低下しているのは、どなたも自覚しているところであろう。漢字の書き取り教育をしっかりと受けた世代にしてこの有様である。ましてや、漢字書き取り学習を疎かにして、ワープロで文章を書くことを覚えさせてしまったら、まともに漢字が書けない日本人を増やすことになるだろう。小学生に作文の課題をワープロで提出させるような指導をすれば、彼らはゲーム感覚で夢中になるに違いない。文字の配列がきれいだとか、強調文字や斜体などの文字装飾を多用して文章の内容から関心が離れてしまう可能性もある。こうなっては、日本語教育ではなくあたかもプログラマーの養成である。

381字(先頭の字下げ含む)です。

原稿用紙に書くと、句点が一番下に当たるところがあるので、マス目は380字文になっています。(下図参照)

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「よって私は」の部分

最後のまとめとして結論を80字でまとめるところです。

 よって私は、日本語文化を継承するためには、教育漢字程度は自筆で書けるように教育すべきであり、その阻害要因となりうるデジタル機器は導入すべきではないと考える。

これで79字(先頭の字下げ含む)です。

この例文の出来不出来はともかく、「だろうか、たしなよ」のテンプレートの使い方と、文字数の配分は理解していただいたでしょうか。

黄色い枠の文章をつなげると、800字(原稿用紙2枚)の小論文になります。

20160624SS00002

20160624SS00003

ほとんど同じ趣旨のブログ記事がありますので紹介します。
⇒ 看護師の再就職試験における小論文の書き方の例

看護師さんの事例として、「だろうか、たしなよ」の使用例を示しているので、参考になると思います。

さすがは天下のNHKです。
素晴らしいテンプレートを提供してくれましたね。

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⇒ 読書感想文の悪い例から教える入賞作品の書き方


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コメント

  1. t_kuro14 より:

    パートから正社員の試験を受けるのですが
    小論文で題が「お客様商売とは」なんです
    この記事を読んで、書いてみたのですがどうですか?

    お客様に商品を販売し、売上・利益に繋げるため早めの接客を心がけるが、早めに干渉されてお客様の気分はいかがなものか、気分を害してはいないのだろうか。
     たしかに、早めの接客を心がけて販売していけば、お客様も買い物した後の時間を有効活用でき、店の回転率が上がり売上・利益に繋がる利点がある。
     しかし、購入を考えて足をはこんで来店して頂いているのに、早々にお帰り頂く必要はなく、商品を手に取り興味を持ったここぞのタイミングで接客に入れば良いのだ。さらに、早めにお声掛けしてお客様を驚かせてしまいかねない。早めに接客するという事は、お客様の購買意欲の低下を招きかねないので、早めにお声掛けはすべきではない。
     なぜなら、早めの接客はお客様の気分を害する恐れがあるという事だ。お客様が、商品を手に取ったその瞬間に興味を持ったとは限らない、商品を、手に取ってすぐ戻す可能性もある。商品を手に取ってすぐ戻すという事は、それほど商品に強い興味が無かったと考えられる。あるいは、今は接客しないでほしいというサインかもしれない。接客に入る際のここぞのタイミングは、商品を手に取ってから、3~5秒程度だ。意外に長い間手に取っていることになるが、お客様がそれだけ興味をもっているという表れだ。そのためには、あらかじめお客様にそっと横から近づいておくのだ。お客様にそれとなく伝わる場所にいれば、お互い距離感を掴む事ができ、近くで商品を整えていると、お客様の様子を観察しやすくなる。お客様が、クッション制の良い靴を手に取り興味を示していたら、「こちら低反発の中敷きを使っていて、クッション制良いですよ」とお声掛けする。
     よって私は、お客様に気分良くお買い物して頂くための接客は、距離感・タイミング・言葉が重要であり、気分を害する恐れがある早めのお声掛けはすべきではないと考える。

    • いろはに太郎 より:

      t_kuro14さん、こんにちは。
      正社員への転換ですか、うまく合格すると良いですね。

      論文を拝見しました。
      わたしの判断には、論旨に対する賛否は関係ありません。
      論文としての形式に則っているかどうかの判断をします。

      『だろうか』の部分
      文字数が73文字で適正な配分です。
      接客を早めるか否かのYes/Noまでテーマを絞り込んでいるのでOKです。
      書き始めは1文字下げましょう。

      『たしかに』の部分
      文字数が69文字で適正な配分です。
      相手側の主旨を整理しており、これもOKです。

      『しかし』の部分
      文字数が156文字で適正な配分です。
      相手側に対する反論がしっかり述べられていて、好感が持てます。

      『なぜなら』の部分
      文字数が395文字で適正な配分です。
      内容が正しいかどうかはわたしには判断できませんが、論旨がしっかり表現されているので、論文の形式としては、良くできています。

      『よって』の部分
      文字数が80文字で適正な配分です。
      結論がはっきりと表現されており読みやすいです。

      内容について採点者がどう判断するかは分かりませんが、論文の形式としては、大変良く書けています。
      問題ありません。
      晴れて正社員として採用されることを願っております。

  2. はな より:

    こんにちは、質問させてください!
    私の志望する大学の小論文は、筆者の意見を踏まえながら〜について論じろ、という問題形式なのですがこの場合どのように書けばよいのでしょうか。

    • いろはに太郎 より:

      はなさん、おはようございます。

      >筆者の意見を踏まえながら〜について論じろ
      この設問であれば、『だろうか、たしなよ』の基本形に忠実に書いて良いと思いますよ。
      細かく言えば『確かに』の部分が、筆者の意見を踏まえる箇所になります。
      この部分の予定分量は80字ですが、多少多めにとって、筆者の意見への理解度を強調する作戦もありかと思います。
      きちんと筋道を立てることが大事なので、論理の破綻がないようにしっかり書いて、最良の結果を獲得してください。

  3. エリンギ より:

    『異文化交流に果たすインターネットの役割について論じなさい』というテーマを800字程度で書こうと思っているのですが、どのように書いていけばいいか分からず、手が止まってしまいました。「だろうか たしなよ」でやってみようと思いましたが、「だろうか」の文章が思い浮かばず…。どのように書いていけばいいでしょうか?

    • いろはに太郎 より:

      エリンギさん、こんばんは。

      『異文化交流に果たすインターネットの役割について論じなさい』ですか。
      このように『だろうか』の課題が明示されていない場合は、自分で課題を作り出す必要があります。

      課題は『何だろうか』(whatとかHow)ではなく、(Yes or No)の2択問題にまで具体化する必要があります。

      所詮800字ですから、たくさんの役割を取り上げると「項目」のリストになり、論文の格好がつきませんから『役割』を絞り込みます。

      次に、異文化交流とは何でしょうか。
      文化とは、言葉、音楽から政治、宗教まで幅広い分野がありますが、800字程度の小論文の場合は、国際交流と言い換えてもいいかもしれません。
      (もちろん、音楽や技能など特定の文化交流に絞り込んでも構いません)

      インターネットの機能を考えながら、論文の材料になりそうなテーマを絞り出すのです。
      『だろうか』のセクションが書ければ、『た・し・な・よ』は、ほぼ自動的に書けます。

      管理人の思いつきで『だろうか』セクションのテーマを幾つか例示してみますが、文字数は調整していません。
      また、すべて(Yes or No)の形の文章にしています。

      翻訳機能に着目して
      『インターネットは異文化交流において言葉の壁を破る役割を果たせるだろうか』
      『異文化交流における翻訳機能はインターネットの役割だろうか』

      SNSやブログなど個人の情報発信に着目して
      『インターネットによる個人の情報発信力は、異文化交流において少数意見拡散の役割を担えるだろうか』

      動画やライブカメラ、大量のデータ通信に着目して
      『異文化交流の相互理解の促進においてインターネットの役割は単純にテキスト文書の通信だけだろうか』

      遠隔操作機能に着目して
      『インターネットによる遠隔操作機能は、各種伝統文化の技能保存の役割となるだろうか』

      こんな感じで『だろうか』セクションでテーマを絞り込んで、『た・し・な・よ』に展開していきます。

      考え方だけを提示しましたが、ご理解いただけたでしょうか。

  4. きなこ より:

    『◯◯を解消する方法についてあなたの考えを具体的な事例をあげて800字以内で述べなさい』(◯◯は課題文中の言葉) の場合は、どのような構成で書けばいいのでしょうか?

    • いろはに太郎 より:

      きなこさん、こんにちは。

      質問ありがとうございます。

      『◯◯を解消する方法についてあなたの考えを具体的な事例をあげて800字以内で述べなさい。』ですか。

      そうですねぇ。
      基本的には、本文に書いた考え方と同じです。

      小論文では正解がない課題を出すことも多いです。
      だからこそ、内容の主義主張ではなく、論理展開のロジックが求められるのです。

      ともかく論文ですから、まず、きなこさんの主張を決めなければなりませんね。

      800字の小論文の採点基準は、きなこさんの主義主張に対する評価ではありません。
      自分の主張を正しく伝える技量があるかどうかの判定ですから、内容にはあまりこだわらなくても結構です。

      例:○○を「交通渋滞」にしてみましょうか。
      『交通渋滞を解消する方法についてあなたの考えを具体的な事例をあげて800字以内で述べなさい。』

      そもそも、交通渋滞なんて日本中が知恵を絞っても解決できていないのだから、正解があるはずがないのです。

      でも、論文を書くためには、交通渋滞を解消するアイディアを絞り出さなければなりません。
      思いつくままに書いてみますね。
      例えば、
      a) 車を全部自動操縦にしてしまう。
      b) 車を減らすために車の税金を滅茶苦茶に高くする
      c) ナンバーの末尾が偶数か奇数かで交通を規制する
        (実際に中国では時々やっています)
      d) 渋滞道路を拡幅する
      e) 渋滞の原因を作った車両から罰金をとる

      どうせ正解がないのですからどれでも良いんだけど、技術を先取りしたイメージが感じられる、a)の全自動操縦にしてみましょうか。

      では、「だろうか・た・し・な・よ」に当て嵌めていきましょう。

      「だろうか」は問題提起です。目安は80字。
      『交通渋滞は人間心理が大きく作用していると考えられる面があるので、完全ロボット化による自動操縦にして、人間のエゴを排除したら、交通渋滞は解消されるのだろうか。』

      「たしかに」は反対意見に対する知識の幅を示します。目安は80字。
      『たしかに、コンピュータのトラブルによって事故を引き起こす可能性や、自動操縦によって交通渋滞が解消される根拠が薄弱であるとの懸念も理解できる。』

      「しかし」は、「たしかに」に対する反撃を書きます。目安160字。
      『しかし、この数年間の人工知能の進歩は、もはや人工知能などというSF的な願望ではなくAIという現実的な技術用語として定着しており、囲碁や将棋での成績を示すまでもなく、人知を超えた可能性が示されている。全自動操縦を支えるもう一つの技術革新として通信速度の進歩があり、一概に全自動運転を否定すべきではない。』

      「なぜなら」は論文の主文です。400字目安。
      『なぜなら、(詳細は省略します)AIの進化と通信技術の革新によって、混雑地域の予測が可能であること。人間の感情を排除して、自分だけが早く着きたいとうエゴをなくして公平に走らせる。グーグルやトヨタなどで実用試験が進んでいること。などを書きます。』

      「よって私は」が結論で、目安は80字。
      『よって私は、交通渋滞を解消するためには全自動操縦車両を普及させることが有益であると考える。早期実現のためには、政府が法的な環境整備を整えることが必要である。』

      書き方の方針は、本文に示した考え方と同じです。

  5. とぴ より:

    まともに漢字が書けない人が増えることによってどのような問題がありますか

    • とぴ より:

      日本語文化を継承しにくくなるんですね
      すいません

    • いろはに太郎 より:

      とぴさん、コメントありがとうございます。

      この記事の目的は、小論文の書き方の手法を解説することです。
      小論文の課題提出で重要なことは、論文としての体裁が整っていることでして、その内容については、明らかに非常識でなければ、賛否両論が残ったとしてもそれで良いと思います。
      そのため、この例文の内容について、ここで議論することは差し控えさせていただきます。
      北上大

  6. マルチノ より:

    ちょうど、小論文が思うように書けなくて悩んでいたところです。
    例文もあり、細かい説明でとても助かりました

    ありがとうございました。

    • いろはに太郎 より:

      マルチノさん、こんにちは。

      丁寧なコメントありがとうございます。
      小論文提出によって、良い結果が得られることをお祈りいたします。

  7. たしゅ より:

    為になりました!

    • いろはに太郎 より:

      たしゅさん、こんにちは。

      コメントの書き込みありがとうございます。
      お役に立てたようで、嬉しく思います。