お彼岸もお盆もご先祖様との関わり
ご先祖様と言っても、自宅に仏壇がない家庭では、ピンと来ないでしょうね。
具体的には、ご先祖様とは、すでに亡くなった曾祖父(ひいお爺さん)や曾祖母(ひいおばあさん)たちのことなんです。
亡くなったご先祖様たちは、仏様になって極楽浄土で暮らしているのです。
そのご先祖様たちが、この世の私たちと関わりを持つのが、お盆とお彼岸なのです。
お盆はご先祖様が自宅に戻るが、お彼岸には戻らない
お盆にはご先祖様が帰ってくる
お盆はご先祖様が、自ら私たちのところに帰ってくるのです。
ご先祖様が迷わないように「迎え火」を焚いてお迎えします。
霊として帰ってくるので、ご位牌に書いてあるお名前(戒名)になっているのです。
「◎◎院▲▲居士」とか、「●●院■■大師」という名前です。
自宅に着いたら丁寧に供養をして、供養の行事が済んだら「送り火」であの世にお帰りいただきます。
お盆はご先祖様が帰ってくるので一日目二日目と仏壇にお供えするものも毎日変わります。
亡くなってから最初のお盆を『新盆』あるいは『初盆』といって、特に念入りに供養をします。
もちろんお墓にも行きますが、基本はお家に戻ってくるのです。
花を飾り、果物、団子などを飾ります。
なすなどの馬は早く帰ってきてほしいという願い。
帰りにお料理とお金をもって帰ります。
昔は川などに流したそうですが、現代では場所も決められたところに置いてくるだけになっています。
昔ですとこの時期は、暑い盛りで農業も一休みになります。
その時期に先祖を敬うことがゆっくりできるように8月の旧盆が多くなったとも言われています。
よくこの時期に行われる精霊流しもお盆の霊の供養の行事です。
お彼岸にはあの世と現世が近くなる
お彼岸は一年中でこの世とあの世が最も近くなる日です。
しかし、ご先祖様の霊は帰ってきません。
だから、そのためお墓参りに行くのです。
春分の日、秋分の日は昼と夜が半分半分なのであの世とこの世に例えられたとも言われています。
ご先祖様のお墓を家族でお参りして掃除など行うことで供養するのです。
お彼岸はご先祖様はお家に戻らないので、おはぎなどを食べて先祖にあげておきます。
なかなか最近は行われないことです。
お盆もお彼岸も先祖を敬う気持ち
ご先祖様が帰ってくるか来ないかの差ですが、先祖を敬う気持ちをしっかり、子供や孫に教えておくことも私たちの仕事だと思います。
現実的な違いは季節と回数
お盆は真夏の連休で年1回
基本的にお盆は夏の時期に1回だけです。
地域によって7月、8月の差はあっても基本的に、夏に行います。
お盆は祝日ではありませんが、ちょうど正月休みの対極にあたり、日本中が連休モードになります。
8月15日頃を中心に、高速道路は渋滞になり、新幹線は満員で、飛行機も予約が取れないような、国民大移動が行われます。
子どもたちにとっては、おじいちゃんのお家に泊まりに行く日などと思っているかもしれません。
お正月なら『お年玉』がもらえますが、お盆にはそのような風習がありませんでした。
最近では『おぼん玉』と称して、お爺ちゃんやお婆ちゃんが孫にお小遣いをあげることも行われているようです。
『おぼんだま』と称する専用の「ぽち袋」も販売されています。
雑貨【ぽち袋/3枚セット】活版印刷/おぼんだま マリン (maru) |
お金で釣らないと、孫が寄って来ないのかもしれません。
今の時代、家の中に仏壇がないお宅がたくさんあります。
実は私もそういう家庭で育ちましたので、嫁いでからが大変でした。
特にお盆は地域により風習が違うため、やっと最近慣れました。
お彼岸は春と秋の年2回
お彼岸は、春分の日と秋分の日をそれぞれ「彼岸の中日」として、年2回あります。
わざわざ帰省してまで墓参りをするような習慣は根付いていませんが、大都市近郊の霊園や墓地の周辺では交通量が多くなり時には渋滞を発生します。
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