会社を辞めようか、やっぱり辞めるのをやめようかと悩んでいるときに、
そういえば
- 退職願ってどう書けばいいんだろう、いや退職届だっけ?
- 理由はなんて書こうか?
- 例文なんかがあると助かるんだけどなぁ
- いつ出したら良いのか?
- 誰に出すんだろう、課長かな部長かな?
- ボーナスはもらえるのかな?
という疑問をお持ちではありませんか?
そこでこの記事ではそんな退職届に関するお悩みを、転職歴3回の管理人の経験を元に解決策を提示します。
退職届けは手書きで、書き方は決まった画一的な例文に合わせればよいだけです。
- パソコンを使う必要もなく実に簡単です。
- しかも、会社を辞めるのに本音を言う必要はありません。
- 会社を辞めることのハードルを下げましょう。
そんなお話について書いています。
10分もかからずに読めますし、退職届の疑問が劇的に改善される可能性が高いので、まずはご覧ください。
目次
退職届の理由はテンプレートの例文で決まり
退職に関しては、いろいろと注意すべきことがありますが、それは後にしてあなたが今一番気になっている退職届の例文(テンプレート)を紹介しましょう。
目次に戻るまず会社の規則を調べましょう
会社内のネットワークの活用が進んでいるので、各種の申請や届け出を社内ネットのフォームに入力させる企業が増えています。
上司や人事部と相談した結果、退職することが確定したら社内ネットのフォームに記入して、管理者の承認チェックを経て人事部に提出されるようなシステムがあります。
このように、会社特有のルールがあればそれに従い、紙の書類としての退職届は必要がありません。
あるいは、退職届として会社に規定の用紙があればそれを使用します。
目次に戻る一般的な退職届の例文とテンプレート
会社の規定用紙が無ければ、市販の便箋に手書きで縦書きにしましょう。
罫線付きの便箋でも良いし白紙でもOKです。
用紙のサイズは、会社の指定があればそれに従いますが、特に指定がなければ最近ではA4サイズが普通ですね。
手元にB5サイズの便箋があれば、それでも構いませんょ。
様式は下の例文通り、丸写しで構いません。
もちろん、名称や日付は自分の状況に合わせてくださいね。
『私事』の部分は、『私儀』と書いても同じ意味です。
『私儀』とした方がやや硬い感じかもしれませんが、お好みでどちらでも構いません。
謙る(へりくだる)意味を込めて、一番下から書き始めます。
変な書式ですが、ふざけて書いている訳ではなくこれが正式なマナーなので、この通り真似をして書いてください。
実は、退職届には決まった様式はありません。
法律的には口頭での通達でも良いのですが、後々聞いていないなどとトラブルの元になるので、文書を提出するのがビジネスのマナーと考えましょう。
自分の一生を左右する重要な書類ですから、プリントをせずに手書きにしたいものですがパソコンプリントでも有効です。
また、縦書きでも横書きでも構いませんが、縦書きのほうが正式っぽいですね。
所詮その程度の話です。
退職届としての必要事項が書かれていれば、手書きでもパソコンでも、縦書きでも横書きでも様式はどうでも良いのです。
当然のことですが、鉛筆や消えるボールペンで書いてはいけません。
通常は黒のボールペンか黒インクのペン(万年筆)で書きます。
もちろん水性ペンでも良いですよ。
必要事項は6項目
書類として提出するなら、次の6項目は必ず記載してください。
- 「退職届」の文字
退職の意思が固まっているなら、必ず「退職届」にします。
その代わり、「やっぱり辞めるのやぁめた」というわけにはいきませんよ。
. - 退職する理由
形式的に『一身上の都合』にするのが普通です。
「上司の鈴木課長と意見が合わないため」などと書く必要はありません。『一身上の都合』とは個人的な理由と言う意味で具体的な内容には関係ありません。
経済的な理由でも健康上の理由でも、子供の教育でも、全て『一身上の都合』です。
. - 退職する日付
西暦ではなく年号で書くのが公式文書のマナーですが、社内文書が西暦に統一されている場合は西暦で書きます。
労働基準法では、2週間以上前に提出することを求めていますが、就業規則の決まりがあればそれに従います。
. - 提出した日付
退職届を会社に提出する実際の日付を記入します。
. - 自分の所属と氏名、捺印
会社で定められた正式な所属名を記載して判子を押します。
自分の名前を書く位置は、提出先である社長を立てる意味で、相手よりも下の方に書きます。スタンプ判子(シャチハタ)がダメだという根拠はありませんが、なんとなく本気度が伝わらないような気がします。
出来れば、朱肉の判子にしましょう。
. - 提出する相手の所属と氏名
提出する相手は、通常は社長宛にします。
上の例文では3行に分けていますが、『代表取締役 日本太郎様』を1行にしても構いません。
会社の規定で、カンパニープレジデント宛とか事業部長宛あるいは人事部長宛などの決まりがあればそれに従います。
必ず、自分の名前よりも上の位置に書いて相手を立ててください。
三つ折りにして封筒に入れる
裸の書類のまま提出するのはカッコ悪いです。
有効だとか無効だとかではありませんが、一生を決める重要な文書ですから形式を重んじてください。
ま、その程度の話ですが、あなたの人格を見られるので封筒に入れるくらいのことはやっても損はありませんよ。
封筒の前面は『退職届』とだけ書きます。
封筒の裏面は『あなたの所属と氏名』を書きます。
住所や電話番号は要りません。
退職届を下から三つ折りにして封筒に挿入してから封をします。
必ずしも糊付けをする必要はありませんが、糊付けをしても良いです。
糊付けをしたら『〆』を書いておきましょう。
これで完成です。
退職届は手渡しで提出するのが普通なので、郵便番号の枠が印刷された封筒はカッコ悪いですね。他になければ仕方ありませんが、出来れば無地の封筒が良いです。
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会社を辞めることは「前向きな選択肢」のひとつです
夢や希望を持って入社した会社でも、全てが思うように行くとは限りません。
絶望的な状況に陥ってまでも、その会社にしがみつく理由はありません。
ましてや、過労やら業績やら責任やらで追い込まれて、自殺すら頭をよぎるようになったら、とっとと退職を考えたほうが良いです。
長い人生において、この会社でしか自分は生きられないなんてことは絶対にありません。
自分の人生は自分で切り開いていく。
そういう決意のもとに、逃げの選択ではなく、前向きな選択肢として会社を辞めることも、ときとして必要な決断です。
管理人は、過去に3回転職を経験しています。
大学卒業後に入社した会社は、社員数が3000人程度の中規模企業でした。
13年間勤めた後『一身上の都合』で、社員数が300人程度の小企業に転職しました。
そこで4年間勤務して、またまた『一身上の都合』で、今度は30人程度の弱小企業に移ったのです。
この会社が経営不振で給料遅配で約束のボーナスも出なくなり『一身上の都合』で退職しました。
さすがにこの先は、3人か独立かなどと冗談めいていたのですが、運良く連結規模で1万人の大きな会社に転職しました。
まずは上司に相談しましょう
『退職届』をいきなり突きつけるのではなく、通常は直属の上司に相談します。
上司が本当に信頼できる人であれば、本音で相談しましょう。
だけど、上司が必ずしも信頼できる人とは限りません。
下手をすると、辞める原因はその上司のせいであるケースも結構多いものです。
そんな上司に、本音で相談しても腹が立つだけなので、上辺の形式だけの相談の形を取り、やむを得ず退職しますとの意思を伝えます。
目次に戻る退職の理由は本音を言う必要はありません
退職届に書く退職理由は『一身上の都合』で良いのですが、上司や人事部のヒアリングではもっと突っ込んだことを聞かれます。
実際に会社を辞める理由としては
- 上司を含む人間関係のトラブル
- 給料や労働条件に対する不満
(給料が安い、残業・休日出勤が多い) - 業務内容への不満
(接客に向いていない、単純作業に飽きた) - 評価の不公平感
(同期の仲間が出世しているのに取り残された) - 会社の将来性に希望が持てない
など、おおっぴらに言いづらい内容であることが多いものです。
しかし、会社を辞めるときに正直に本音を言う必要はありません。
こんな時こそ「嘘も方便」の格言を思い出してください。
どうせ、辞めた会社の人と会うことなど殆どないのですから、適当な前向きな理由を作って、平和裏にことを済ませましょう。
正論をぶって会社とケンカ別れのような辞め方をしても、気分が悪いだけでなにも得はありません。
ここはひとつ、大人の対応をして穏便に済ませるのが賢い身の振り方です。
ウケが良い退職理由としては次のような事項があります。
- 実家の事業を継ぐことにした。
- 親戚から事業を手伝ってくれと頼まれた。
- 自己啓発のために、学校に入って資格を取得したい。
- 将来独立して事業を起こしたいので、ある師匠に弟子入りする。
- 親の介護をするために、国許に戻らなければならない。
- 結婚をして引っ越しをしなければならない。
など、前向きな理由か自分ではどうしようもない理由であれば、会社側でも無理に引き止めることはないでしょう。
引き止められたとしても、2週間が過ぎれば退職が成立すると労働基準法で定めらられています。
ただし、期限が定められている労働契約の場合は別のルールがあります。
また、良識の範囲であれば、就業規則で合意している内容が優先される場合もありますので、会社の就業規則はきちんと理解しておきましょう。
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『退職願』か『退職届』か、あるいは『辞表』って
「退職願」は、お願いするだけですから「ダメ」と言われたらそれまでです。
いわゆる「進退伺」と同じで、「辞めるも辞めないも会社で決めてください」と伺いを立てているだけですから、あなたの意思は強くは示されません。
また、上司や人事部への相談は口頭でも通用するので、通常は『退職願』は必要としないことが多いです。
会社の決まりだから、まず『退職願』を出すようにと指示を受けたら従いましょう。
辞めることを決断したのなら『退職届』でなければ意味がありませんよ。
『退職届』は、会社に対してあなたからの通告であり言わば最後通牒ですから、後から取り下げはできません。
なお『辞表』は、退職とは意味合いが違いますから、一般の会社員は使いません。
特別な役割を与えられている人がその地位や職務を辞めるときに使うのが『辞表』です。
ですから、例えば会社の経営委員は辞職したけど、社員として残るようなこともあり得るのです。
あと『辞表』は公務員の場合は使うこともあるようです。
目次に戻る退職願はいつまでに提出すべきか
労働基準法では2週間前までに提出することを求めていますので、これが一つの基準ですが、上司に相談して合意できれば、明日でも構いません。
目次に戻る基本的には就業規則に従う
就業規則に30日前などの決まりがあれば、それに従いましょう。
ただし、『半年前』などと無茶な記載は法的に無効ですから、強く交渉すべきです。
そうは言っても、会社や後任者に迷惑をかけないようにしたいものです。
自分の地位や業務内容を考慮して、引き継ぎに必要な時間を見てあげるくらいの配慮は社会人のビジネスマナーとして必要です。
また、退職日は、給与の締め日にすると、妙な日割り計算の必要がないので、トラブルの原因がひとつ減ります。
目次に戻るボーナスはもらえるか
通常の会社では、ボーナスの支給条件として『支給日に在籍していること』を条件としているケースが多いです。
ボーナスの査定期間に在籍していても、支給日現在で退職していたら、ボーナスはもらえません。
退職届の提出日と併せて、退職の日付にも気をつけましょう。
目次に戻る有給休暇は使えるか
有給休暇は、実質的に賃金と同じ価値のある有価資源です。
有給休暇は会社に申請して許可を貰う必要があります。
社員が有給休暇を申請した場合に、会社側の事情で取得時季を変更させる権利があります。これを時季変更権といいます。
しかし退職時の有休消化には時季変更権は行使することができません。
(代替の期間がないからです)
だから、有給休暇取得を拒否されたら取得できません。
有給休暇を使いきりたい場合は、事前に会社と相談して退職日を決める必要がありますが、円満退職でないとなかなか認められないケースも多いです。
残ってしまった有給休暇を買取る規定があれば利用すると良いでしょう。ただし、会社側の任意制度なので買取ってもらえるとは限りません。
目次に戻る手書きかパソコンか
前にも書きましたが、どちらでも構いません。
だけど、自分の一生を左右する需要な文書ですから、本当に辞めてよいのかをよく考えながら、丁寧に手書きをしてはいかがでしょうか。
パソコンに記憶させておいて、何回も書くようなものではありません。
目次に戻る縦書きか横書きか
これもどちらでも構いません。
ただ、慣例としては、縦書きのほうが正式っぽいです。
手書きで書こうと決めたら、格式の高そうな縦書きにしたほうが、受け取った会社の担当者にもあなたの本気度合いが伝わるような気がします。
あえて、横書きを選ぶ理由はありません。
目次に戻るまとめ
退職は大きな決心が必要ですが、前向きな人生のための必要な決断を恐れてはいけません。
退職を決断したら上司に相談して、退職までのスケジュールを固めます。
上司と合意したら、退職届を提出します。
会社の規定の用紙があればそれを使いますが、なければ便箋に手書きで書きましょう。
特別な理由がなければ、縦書きにして書類に重みを付けましょう。
横書きにする積極的な理由はありません。
退職理由は「一身上の都合」とします。
上司や人事部との面接では、方便で構わないから前向きな理由か自分では不可避な理由をあげます。
「人間関係の恨みつらみ」や「給料が安い」などの不満を言っても良いことはないもありません。
後任者に迷惑をかけないような引き継ぎ期間とスケジュールを考慮しましょう。
法的に引き継ぎの義務はありませんが、社会人としてのマナーです。
感情にまかせて会社を辞めてはいけません。
「てやんでぇ、こんな会社今すぐ辞めてやらァ」なんてのは最悪です。
冷静に自分の環境を判断して、辞めてからどうするのかの人生計画をしっかり見据えてください。
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