藤井4段の快進撃の影響で、にわか将棋ファンが増えていますね。
将棋の基本ルールは、『王』が取られたら負けなのですが、実は、実際に王が取られることはありません。
王手放置は反則負け
将棋の規則には、一般的にあまり知られていないルールがありますが、王手を放置して別の手を指すと、王を取られるのではなく、即刻反則負けになります。
あなたが対局相手だったら、王を取ってしまうのではなく、
「王手がかかっているので反則です」
と指摘して、即刻反則勝ちになります。
将棋連盟のルール
王手放置は反則負け
反則:王手放置
王手をかけられたら、玉が逃げるなど、必ず王手を防ぐ手を指さなければなりません。王手がかかっているのに違う手を指すのは反則です。
反則に気がついて指摘するのは、対局者以外の第三者でも指摘することが出来ます。
第8条 反則
- 1. 対局中に反則を犯した対局者は即負けとなる。
- 2. 両対局者が反則に気がつかずに対局を続行し、終局前に反則行為が確認された場合には、反則が行われた時点に戻して反則負けが成立する。
- 4. 終局後は反則行為の有無にかかわらず、投了時の勝敗が優先する
- (投了の優先)。
- 6. 対局者以外の第三者も反則を指摘することができる。
- 7. 連続王手の千日手とは、同一局面が4回出現した一連の手順中、片方の手がすべて王手だった場合を指し、王手を続けた側がその時点で負けとなる。
従って開始局面により、連続王手の千日手成立局面が王手をかけた状態と
王手を解除した状態の二つのケースがある。
王手放置と同じ扱いになる反則
- 相手に王手された場合は王手を回避しなければならない。
- 玉を相手の駒の利きに移動してはならない。
- 玉以外の駒を移動させた結果、玉が相手の駒(香車、飛車(竜王)、角行(竜馬))の利きにさらされるようにしてはならない。
実際に、プロ棋士の試合でも、角筋の守備駒を動かして開き王手になり、反則負けになった事例があります。
アマチュアならおおらかに
正式なプロの試合では厳しいルールが必然ですが、アマチュアの縁台将棋なら、
「おいおい、王手だよ。」
などと言って指し直すのが普通でしょうね。
この場合は、「待った」にもなるので、本来なら二重の反則負けですヽ(`Д´#)ノ
王手宣言の義務規定
アマチュアの大会では、王手の場合には、必ず宣言することを義務付けている場合があります。
この場合は、きちんと王手の宣言をしないと、逆にこちらが反則負けになるかもしれませんね。
もちろん、将棋連盟の正式なルールにはこんな規定はありませんが、大会ごとのローカルルールが規定されていることもあるので、事前に確認が必要です。
落語の話
落語の将棋の話ですが、こんな話があります。
盤面の駒数が少なくなって、両者が手に汗をかいて持ち駒が握られている。
「ところで、おめぇの持ち駒はなんだ」
「飛車と金、銀、銀、桂馬、王様もあるぞ」
「バカ言え、王様が取られたらオレの負けじゃねぇか」
「だって、これ見ろよ」
「ホントだ、オレの負けだ」
王手飛車取りに対して、飛車が逃げるのが素人将棋なので、こんなこともあるかもしれませんね。
プロでも犯す意外な反則とは
- 振り駒で後手番になったのに、先に指してしまうと反則負けです。
- 持ち駒を打つときに、裏返して打ってしまうと反則負けです。
- プロの反則で一番多いのは、実は2歩なんです。
- 自分の駒を取って反則負けになった人もいましたよ。
- 角筋の読み違いでずれたスジに打ってしまったら反則。
- 自分の駒を飛び越えてしまうこと。
飛車よりも角で起きやすいです。 - 例えばトイレのために中座して戻ったときに、相手が指し終えたと思って自分の駒を動かしたら、相手はまだ指していなかった。二手指しは加藤一二三9段の反則が有名です。
- 当然ですが、待ったは禁止です。
- 意図せずに袖に触れて将棋盤から落ちた駒を、持ち駒と勘違いして使って負けた女流棋士がいました。
その他の反則は
- 打ち歩詰めは反則
盤上で移動させる突き歩詰めは反則ではありません。
無論、と金は歩ではないので、問題ありません。 - 行き場のない駒を作ったら反則
敵陣のニ筋に入っても成らない桂馬とか。
後戻り出来ない駒(歩、香、桂)を一筋に打つ - 成る資格がない駒を裏返したら反則
4四に打った飛車が引いても成れません。 - 王手連続の千日手は反則
千日手とは、実際には同じ局面が4回連続で現れること。 - 秒読み将棋で時間切れは反則。
下の動画の3分30秒からの秒読みをご覧下さい。
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