犬の散歩に適した時間とは

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都会では室内犬として飼われることが多い小型犬ですが、室内で放し飼いにして走り回っているから散歩はいらないと思っている飼い主もいるようですが、本当にそれでいいのでしょうか。

また、散歩の時間はどのくらいが適切なのかと迷っている人も多いですね。

では、そもそも、飼い犬にとって散歩とはどんな目的と効果があるのか、から考えてみましょう。

飼い犬にとっての散歩とは

よく言われるのが次の4項目です。

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運動不足の回避

犬の散歩の目的を『運動不足の回避』だけだと思っている飼い主が多いようですが、
これは、犬散歩の目的の一部に過ぎません。

運動不足の結果として心配なのは、筋力の衰えよりも、ストレスの蓄積です。
運動不足により確実にストレスがたまります。
ストレスは無駄吠えに繋がります。

小型犬であれば、運動量としては室内で走り回るだけで十分な場合もあるでしょう。
しかし、歩いたり走ったりして筋肉をつけることは関節の弱い小型犬には必要なことです。

中型犬以上では、やはり一定時間の外歩きが必要です。

大型犬を広い庭で放し飼いにしているので、散歩には行かなくてもいいだろう、と思う方がいらっしゃるかもしれませんが、それは間違いです。

実際、庭で放し飼いにしていても、大した運動にはなりませんよ。
見ていると、隅っこの方で寝ていることが多いことに気づくでしょう。

犬は必要もないのに自分から運動することはありませんからね。

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我が家のビーグル犬(りん子)です。

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脳への刺激付け

人間でもそうですが、漫然と同じ生活をしていると脳が刺激を感じ難くなり、機能が発達せずむしろ劣化していきます。

子犬にとっては、脳の活性化が抑制されて成長が促されず、おバカな犬になりがちです。

老犬であれば、年とともに散歩をしなくなりがちですが、この刺激が急になくなると痴呆や病状が進行します。

歩けない幼犬や老犬ならバギーに乗せてあげても、良い刺激になります。

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社会性の構築

散歩は社会勉強の場でもあリます。

いろいろな刺激の外の環境に慣れて、社会性を身につけさせることが必要です。

あまり外に出ていない犬は、神経質で臆病になってしまいます。

散歩によって、外の世界を見せてあげることによって、いろいろな刺激を受けて、社会性を身につける機会として、とても大切です。

その結果、好奇心が刺激され、生き生きとしてきます。

特に子犬の頃に外の環境に慣れさせると、大人になっても少々のことでおびえたり物怖じしたりしなくなります。

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トイレタイム

散歩をトイレタイムにしている飼い主が多いようですが、実は、これは間違ったしつけなのです。

いつうんちをするか分からない状態で散歩をしていると、民家の玄関先で構えてしまうことあるでしょう。
その家の人にとっては、嫌な感じですよね。

盲導犬は、「ワンツー」と指示(コマンド)するとは排泄をするようにしつけられています。
コマンドで排泄が出来ると、排泄だけまずさせてから後でゆっくり散歩なんてことが出来ます。

コマンド排泄のしつけはそれほど難しいことではないのですが、一般的にあまり知られていません。
トイレと散歩が一緒のしつけで育ってしまった場合は、せめて、排泄したうんちを持ち返るのは当然のマナーとして実行しましょうね。

我が家でもビーグル犬を飼っていますが、コマンド排泄のしつけなど知らなかったので、散歩とトイレはセットになっています。

下の動画で、オレンジ色の服を着ているのが、我が家の愛犬「りん子」です。ビビリ屋です。


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散歩に適切な時間

犬にとって散歩が必要なことは理解していただきましたね。

では、どのくらいの時間歩いたら良いのでしょうか。

散歩の時間は長ければ犬も喜ぶだろうというものでもなく、例えば小型愛玩犬が3時間も散歩をしたら疲れ切ってしまいます。

大型犬の子犬は成長の際に骨に負担がかかりやすいため長時間の散歩をしてはいけません。

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散歩時間の目安

1日2回、朝と夕方に散歩をするとして、体重ごとの散歩時間を表にしました。
犬種による特性も違うし、個体差もありますので、あくまでも目安に過ぎません。

狩猟犬や牧羊犬などの犬種は運動量が豊富なので、体重表よりも散歩時間は長いほうがよいでしょう。

逆に愛玩犬の犬種、中でもパグやシーズー、チンのような吻が短い犬種は、運動があまり得意ではないので、体重の割に散歩時間は短くてもよいでしょう。

 体重別 犬種の例 散歩時間
5kg以下
小型の愛玩犬
 チワワ、ヨークシャーテリア マルチーズ パピヨン  1回につき15分程度
7kg前後
小型犬
ジャックラッセルテリア トイプードル キャバリア ミニチュアダックスフント  1回につき20分程度
10kg前後
中型犬
柴犬、ビーグル コーギー シェットランドシープドッグ  1回につき30分程度
20kg以上
大型犬
ゴールデンレトリバー ダルメシアン アフガンハウンド ラブラドールレトリバー  1回につき50分前後
 30kg以上
超大型犬
ドーベルマン、グレートデン マスティフ ボクサー  こんなサイトを見ていないで専門家に任せましょう

散歩から帰ってきてからも全然疲れず、元気がありあまってはしゃいでいるようでしたら、もう少し長めにするとか、逆に、へばっているのは、散歩の時間が長いのかもしれません。
疲れ切っているようなら短くするなど調整してみましょう。

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散歩の時間帯はランダムに

犬の散歩は、朝夕の決まった時間帯にと思っている飼い主が多いですが、これは間違いです。
間違いですと言い切ってしまうほどのことではありませんが、散歩時間はいつでも構いません。

むしろ、時間帯を決めないでランダムな方が良いのです。

なぜかというと、習慣化させないことが重要だからです。
犬は習慣化を体得するのが得意ですから、決まった時間に散歩をすることを覚えてしまうと、必ず行きたがります。

決まった時間帯に散歩に行かないと強いストレスを感じるようになり、要求吠えが出るようになります。

しかし、決まった時間ではなく、ランダムな時間帯に散歩に行き、一日の回数も2回だったり4回だったりとバラバラにすることによって、習慣化を防ぐことが出来ます。

習慣化しなければ、散歩がなくてもストレスを感じじくくなり、時間帯の要求吠えもなくなります。

その結果、雨の日や、飼い主の体調不良の時などは、散歩なしでも耐えられるようになります。
ただし、トイレタイムと一緒になっている場合は別ですよ。

気をつけていただきたいのが、真夏の地表温度です。
直射日光にさらされたアスファルト表面は50℃を超えることもありますから、犬にとってはたまりません。

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まとめ

『犬の散歩』という言葉が定着していますが、他に良い言葉がないでしょうかね。
人間が暇つぶしにブラブラ歩くのとはまったく違った意味があるのですから、散歩と言ってしまうと誤解されてしまいます。

大好きな飼い主と一緒に外出することは、犬にとって1日のうちで最も楽しい時間です。

散歩は健康維持にも役立ちます。
外の刺激と散歩による適度な運動で、老化の進行を緩やかにすることができます。
散歩をしないと犬はストレスをためてしまいます。

犬にとっては、とても大事な散歩ですが、犬のために歩いているんじゃないと思わせましょう。

「人間が歩くついでに、犬を連れて行くんだよ」と、
「歩く方向も、歩く速さも、時間帯も、回数も、全て飼い主が決めるのだから、犬は従うのですよ」

そんな気持ちを犬と共有できるといつまでも良い関係が続けられるはずです。

散歩が、飼い主の重荷になってはいけません。

マナーを守って、楽しい散歩をしましょう。


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コメント

  1. より:

    なんというか…まさに人間のエゴが表に出てる記事のイメージを感じましたね…

    • いろはに太郎 より:

      燐さん、こんにちは。

      コメントありがとうございます。

      そうですか、人間のエゴを感じられましたか。
      そもそも、偉そうに動物をペットとして飼うこと自体が人間のエゴそのものですから、記事内容に反映されるのは仕方ないでしょうね。

      野生動物ではなくペットですから、飼い主が不快に感じたときには、排除される可能性すらあります。
      だからこそ、飼い主に嫌われないような飼い方の工夫が必要だと思います。
      排泄のしつけなどが最たるものです。

      お気に召さない記事内容でしたら、ごめんなさい。