我が家の愛犬(ビーグル犬、10歳)が「肺がん」と診断されて、手術を受けることになりました。
その経緯をお話します。
症状
10月初頭(この記事掲載の3週間ほど前)から、時々咳をするようになったのです。
犬が咳をするって、分かりますか?
人間のように「ゴホンゴホン」という感じではなく「ハァ゛ハァ゛」と何度も強く息を吐き出します。
最初はあまり気が付かなかったのですが、何回か聞いているうちに、これは咳だと分かるようになりました。
1週間ほど経つと段々と頻度が多くなり、「ハァ゛ハァ゛ハァ゛ハァ゛」が始まると10回以上も連続するので、明らかに病的だと感じるように変わってきたのです。
食欲はあるし、元気さは変わりません。
散歩には行くし、猫を見ると吠えます。
季節的には10月に入って急に冷えてきたところなので、風邪でもひいたのかと思って、軽い気持ちでいつもの獣医に連れて行きました。
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最初の診断
触診だけでは分からないから、レントゲンを撮ってみましょう、ということで胸部の撮影をすることになりましたが、まさか、こんなにひどい写真を見せられるとは、想像さえ出来ませんでした。
レントゲン写真に映し出されたのは、直径で7センチほどの肺の中の丸い大きな影だったのです。
獣医の判断によれば、この影は「腫瘍」だというのです。
ヤバイでしょう。
輪郭が丸くはっきりしているので「肺炎」などの炎症ではなく、良性か悪性か分からないが「腫瘍」との診断でした。
肺炎であれば、境界がはっきりせずに霧のようにみえるはずですが、この影は境界線がはっきりしていると言うのです。
「肺がんの可能性が高いが、これ以上はここでは分からない」
そう判断して、高度医療専門の動物センターを紹介してくれました。
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2種類の動物病院
動物病院には大きく二つの種類があります。
目次に戻る一次診療(プライマリ・ケア)
まず、プライマリケアを担当する一次診療の獣医さん。
一般的に「かかりつけのお医者さん」と言われる町医者です。
特に専門性がなく、何でも診るし、ワクチンやフィラリア予防などがもっぱら。
手術も、そのほとんどが避妊や去勢・・・
獣医というと、こういう病院がほとんどです。
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二次診療の専門病院
大学病院を中心とする高度医療を専門とした病院です。
基本的に、かかりつけの獣医さんの紹介状が無いと診察してくれません。
簡単な病気は一次診療施設(町の獣医さん)で十分治療できます。
しかし、難しい病気は経験がなかったり、設備の問題点などから、これらの施設を紹介してもらうことになります。
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高度専門病院の診断
高度医療専門の動物医療センターに行きました。
かかりつけの獣医のレントゲン写真とカルテの抜粋が、紹介状に添付されています。
症状は分かりましたが、レントゲンだけでは判断できないので、
- エコー検査
- CT撮影
- 肺の細胞診検査
をすることになりました。
CT撮影は麻酔をかけて撮るので、4時間ほど犬を預けることになります。
4時間後に動物センターに行って結果を聞くと
最悪!!
やっぱり肺がんとの診断でした。
癌の場合、比較的良性の場合と悪性の場合がありますが、この犬の場合は、ひどい悪性の可能性は低いそうです。
その理由は、転移がほとんど認められないことです。
悪性の場合は、一般的にこれほど大きくなる前にリンパ節などへの転移が認められるが、この犬の場合は転移がほとんど認められないのにこれほど大きくなったことから、ひどい悪性ではないと判断できる。と。
これからの治療
この後の治療方針は人間と同じです。
手術の適応症なら手術をするしないかの判断。
手術ができないなら、抗癌剤か放射線治療の判断。
幸い転移も認められず、手術適応ということです。
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手術費用
ここまでの検査と診断の請求書をみて(@_@)
なんと13万円!!
エコー、CTと細胞検査までの検査と診断の費用が13万円なのです。
恐る恐る手術費用を尋ねました。
実際に手術をしてみないと難易度の状態が分からないので、概算になりますがと、
提示された、手術費用の見積もり金額が、40~50万円とのこと。
動物医療保険に加入していないので、このまま実費を負担することになります。
高額医療費に直面すると、ペット保険に入っていればよかったのにと思いました。
(ホントに!!)
まずは、ペット保険の資料を調べておきましょう。
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たかだか犬に、ここまでお金をかけるべきでしょうか?
いろいろな意見があることでしょう。
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手術への判断
手術をすることにしました。
犬に50万円、60万円の治療費を使うことに対して、異論もあることでしょう!
我が家の家族構成を詳しく書くつもりはありませんが、家族にはいろいろな事情や状況があります。
他人に説明しても分かってもらえる自信がありませんが、犬を失うこと(あるいは最善の努力をしなかった)ことによって、心に傷を持ち、人間のほうがダメになる、そんな事情も考えられます。
犬の命を助けるという目的も大きいのですが、「犬に依存している人間の心を救う」そんな判断もあって手術を選択しました。
手術予定日は来週です。
順調なら、その後10日ほど入院して、元気に帰って来ます。
続報はこちらです。
⇒ ビーグル犬の肺がん手術後の経過と医療費用明細
⇒ ビーグル犬の肺がん手術から2年経過しました。
⇒ ビーグル犬の肺がん手術の予後をお話します。
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コメント
肺癌と言われ半年持たないと言われました!どうしたらいいのかわかりません❗獣医さんも手術の話さなくて手術しても治らないからだと思います✨????これからどうしたらいいのか糖尿もあって教えてください愛犬の為に私はどのようにして行けばいいのか?教えてください❗
MMさん、心中お察しします。
うちの犬が肺がんだと言われたときに最初に思ったのは「ウソだろ」でした。
どうしたら良いのかは、ご自身で判断するしかありませんが、いくつか参考になりそうな情報を書いてみます。
1、ガンの判断は実は難しいのですよ。
X線による画像診断だけではなく、血液検査や、最後は細胞診で判断します。
最終診断には、専門病院での判断が必要です。
2、ガンの治療、特に手術は専門病院でなければできません。
高度な医療機だけではなく、麻酔医などのスタッフのチームが必要です。
3、手術となると100万円以上の費用がかかります。
経済的な負担も考える必要があります。
4、どうしたらよいか。
・まずは、専門病院での診断を受けたいですね。
・その後、専門病院の獣医師の診断に従うしかないでしょう。
・年齢や転移の状態によっては手術が出来ないかもしれません。
その場合は、緩和ケアによって天命を全うさせることになるのかなぁ。
我が家のビーグルは、肺がんの手術が成功して1年経過後の現在でも元気です。
しかし、今後再発したら手術は不可能だと言われているので、緩和ケアしかないと覚悟を決めています。
以前に飼っていたキャバリアは糖尿病がひどくなり、わたしが毎日インスリンの注射をしていましたが、糖尿病からいろいろな合併症を併発して死にました。
糖尿病を持って、ガンを発症したとなると、判断が厳しいのかもしれません。
ともかく、がん治療ができる専門病院で診断を受けてみることをおすすめします。
わたしは、所沢市の日本小動物医療センターで診てもらいました。
この病院は、街の獣医さんからの紹介状が必要でした。
人間でも同じことですが、できることをやり尽くしたら、天命を受け入れるしかありません。
そう決断するまでに、できることをしてあげてください。
初めまして、手術後のことが気になりコメントさせていただきました。
実家のミニチュアダックス11歳くらい(愛護団体から3年前に家族に)
掲載されている画像と同じ場所に4センチの腫瘍
県外の病院を紹介されて同じように診断がくだされてます
今は手術日待ちですが
あばら骨切り肺の半分を切除するそうです。
骨を切るので手術後は大変痛むと医者から説明もありました。
4センチの腫瘍なので助からないと思っていたので
診察を受け手術ができることに喜びすぐに手術の予約のお願いをしたのですが
年齢のことや術後のことがとっても気になりはじめて不安な気持ちで
いっぱいです。
術後のことや現在のようす等さしつかえなければ教えて下さい。
よろしくお願いします。
Mさん、こんにちは。
コメントありがとうございます。
肺がん手術後の経過については、別の記事にまとめようと思っているのですが、ちょっとサボっています。
簡単に経過をお知らせします。
うちのビーグル犬は、10歳で肋骨間を開いて右肺の一葉を切除しました。
手術は大成功で、気になっていた咳は完全に止まりました。
食欲もあり、生活活動も元気いっぱいです。
手術では除去しきれない小さながん細胞を撲滅する目的で、手術後半年間は検査をしながら抗がん剤を飲用させました。
1年後の現在も元気に走り回っています。
獣医さんからは、「1年前に手術をしなければ、今の姿はありませんでしたよ」と言われました。
手術をして良かったと思っています。
人間の場合は、術後5年生存で手術成功と判断するようですが、犬の場合は、2年間で判断するそうです。
11歳と高齢だし、再手術は出来ないと言われています。
もし、再発したら天命と思って、対症療法をするしかありません。
これからどうなるのか注意深く様子を見ていきます。
ミニチュアダックスちゃんの手術成功をお祈り致します。
北上さん、こんばんは。夜分に申し訳ありません。
19日の衝動的なコメントにお返事いただけてとても嬉しかったです。
ブログ、りん子ちゃんの肺がん手術の記事以降更新がないと気付いて、一瞬ギクッとしましたが近況が聞けて何よりです。
シニアわんちゃんのがん手術は、仰られるように
色々な意味で大変な決断だったとお察します。
北上さんの決断を支持します。
うちの子が10才ならやはり何とかしたいし、するしかないです。
実は数日前の膀胱周辺のエコーとレントゲンで結石や腫瘍はなかったのですが、
血尿とは関係ないと思われる脾臓に小さな影が見つかりました。
16才では無論手術させたくないですが、
10才なら摘出を考えたでしょう。
個人的主観で言うと、ビーグルは活発で、
見た目の可愛さ以上に、意外とタフで丈夫なこが多いのかな?と思うことがあります。
私の近所でも、大きな病気と共生できていて、
オーバー10代のビーグル犬が2匹います(^ー^)b
文字どおり巨大…と言うべき脂肪腫を
お尻周りに持ったまま、そろそろ数年経つ子
(良性&高齢のため除去手術しないそうです)、
もう一方はかなり進んだフィラリアで
手術を2度して、投薬治療中の15才の子です。
2匹とも泰然としてお散歩も現役です。
初めて会った頃は、病気の怖さや
ぐんぐん成長していく脂肪腫を見て
正直一抹の不安を覚えたものですが、
数年も経つと慣れます(笑)
道で会うたび、前向きなわんこと飼い主さんを応援しています。
そして私も愛犬に何か起きたら、できるだけ
ポジティブでいたいと思っています。
この飼い主さん達や、北上さんのように。
長くなり恐縮ですが、追伸。
このブログの続きはやはり気になりますが、
更新や返礼の催促でコメントしたのでは決してありません。
御無理やお気遣い等されませんようにm(__)m
これからますます暑くなりますが、犬も人も熱中症が怖いですね。
くれぐれもご自愛ください(^^ゞ