ジャンベは、西アフリカ地域で古くから現地の人土地の信仰や通信に使われた打楽器(太鼓)で、近代では音楽の素材としても注目されています。
古くから民族音楽に使われた太鼓ですが、ステージ演奏に耐える近代楽器として有名にしたのが、ママディ・ケイタさんです。
日本でも子どもたちのためのジャンベ教室を開いたり、活躍しています。
アフリカジャンベ作り方の写真解説
以下の写真は、あちこちの現場の写真を作業工程順に並べたものです。
工房はおろか国も跨っていますので、全体的な写真の整合性はありません。
あまり細部にこだわらずに、手作りのアフリカジャンベの製造工程はこんな感じだとのイメージをつかんでください。
ここは『ガンビア・イスラム共和国』の森のなかです。
2人の青年が樹を見つくろっています。
(01)この樹にしようか。
そうだね、これなら、ジャンベが15本くらい作れるかな。
(02)この樹は「マンゴー・ブッシュ」と言います。
ジャンベを作るために、樹を切り倒すことにしました。
(03)機械は使わず、まさかりを打ち始めました。
(04)交代交代でまさかりを打ち続け、太い樹がとうとう倒れました。
(05)直ちに現地で、1メートル弱に切り分けます。
ここから国が変わって、ガーナです。
(06)作業場には、ジャンベ用の材料がたくさん積み上げられています。
後で割れが発生しないように、よく乾燥させているのです。
(07)伝統的なジャンベの加工は、すべて手作業です。
斧で外形を削っていきます。
(08)内部の奥の方は、槍のように長いノミを使います。
(09)内側も丁寧に削ります。
(10)大体の形が出来上がりました。
この作業場での仕事はここまでで、このあとは街の工房に出荷します。
(11)街の工房に着くと、子どもたちもお手伝いをして運んでいます。
(12)街の工房では、ヤスリをかけて、外観をきれいに仕上げます。
(13)スカート部分に彫刻を入れて、立派になりました。
これを、レッグ・デコレーションということがあります。
(14)よく洗ってから、表面にオイルを染み込ませて、害虫予防と樹肌を保護して割れにくくします。
オイルは、シアバター(現地のシアの木の実から伝統的な方法で採られた100%天然のオイル)を使用します。
(15)ジャンベには、鉄のリングを3本使います。
それぞれの胴に合わせて、職人さんが専用のリングを溶接して作ります。
(16)鉄のリングには、皮とロープの滑り止めのために、装飾を兼ねて布を巻きつけます。
この布はパーニュと呼ばれるプリント布が使われます。
(17)布を巻いたリングにロープをセットするのは、女性が作業しています。
上下の目の穴数を間違えると、合わなくなるのでやり直しです。
(18)ジャンベに使うのは、山羊の皮です。
皮が破れて張り替えをするなら、ここから後の工程と同じことをやります。
なめしていない生皮なので、水に浸すとふにゃふにゃにふやけます。
(19)ふにゃふにゃに柔らかくなった山羊の皮を、毛が生えている面を上にして一番大きいリングを置きます。
(20)山羊の皮でリングを包み、紐で巾着のように縫い付けます。
(21)巾着縫いした皮とリングをロープをセットした胴の上に置きます。
(22)皮のリングの上に、ロープをセットしたリングを被せます。
(23)順次、ロープを締め上げますが、素手では力が足りないので、丸棒にロープを巻き付けて、テコの原理で締め上げます。
この作業は力が要るので、男性の作業になります。
(24)このような専用の締具を使う工房もあります。
(25)これは別の工房の締具です。
(26)全体を締め上げたら、巾着縫いを解いて皮を広げます。
こうして、締めあげた段階で、ある程度の音が出るようになります。
音が悪いのは、まだ締めが足りないようです。
(27)音に問題がなければ、周囲の余分な皮を切り取ります。
(28)最後に、両刃の安全剃刀(別の刃を使うこともあります)で、皮の表面の毛を剃ります。
(29)毛を剃って、外観を仕上げれば、ジャンベの完成です。
こうして、完全手作業で、伝統的なジャンベが作られているのです。
番外編です。
(30)手作業が原則ですが、旋盤を使って加工する工房もあります。
斧で削るよりも早く、しかも同じ形状が安定して出来ますが、音質が本物ではないという批評もあります。
斧で削った細かな凹凸が、ジャンベ特有の音の響きを作るとも言われています。
(31)こちらは趣味の延長ですが、森林でチェーンソーで自分用のジャンベを作っている人がいました。
アフリカとは縁遠い雪が積もっているカナダでの風景です。
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