ジャンベの正しいメンテナンスをするためには、構造を理解しておかなければなりません。
一番良いのは、自作してみることです。
基本的な構造とそれぞれの部品についての基本的な知識を確認しておきましょう。
ジャンベの構造
西アフリカの伝統的な打楽器であるジャンベは、樹木をくり抜いた円筒状の胴の片面に山羊の皮を張り、その皮をロープで引っ張る構造になっています。
図で示せば、こんな風に簡単な構造です。
山羊の皮にテンション(張力)を与える構造を説明します。
この部分ですが、分かりやすいように色付けをします。
この色付けで、断面を表すとこんなふうになっています。
なんか複雑な構造に見えますが、実に単純です。
山羊皮の毛が生えている面が打面の表側になるように、『鉄リング1』に皮を巻きつけています。
通常は、皮を張りあげてから、表面の毛をカミソリで剃ります。
ここで失敗すると、せっかく張った皮を破いてしまうことになります。
『鉄リング2』は『鉄リング1』より直径が小さいので、ロープで下の方向に引っ張ると、『鉄リング1』と『鉄リング2』によって、皮が押さえつけられます。
赤色の『太いロープ』でギシギシに引っ張れば、皮がピンピンに張ることになります。
単純な構造ですが、和太鼓が鋲で皮を固定しているのとは違って、皮の張り具合を調整することが出来ます。
この張り具合の調整を調整を『チューニング』と言います。
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ジャンベを構成する材料
今回管理人が組み上げたジャンベを例示しながら、材料の説明をします。
目次に戻るジャンベのシェル(胴)
材木を削って作った胴のことをシェルまたはボディと言います。
14インチサイズのシェルは普通に購入すると3万円以上するのですが、ヤフオクで安く落札すれば、格安で手に入れることも出来ます。
今回管理人が実際に購入した例を紹介します。
締切直前に競ってしまったので、9,000円に跳ね上がってしまいましたが、クラックや虫食い穴もなく、堂々とした風格の立派なシェルです。
以下は出品者による説明です。
西アフリカの本場コートジボワールのジャンベビルダーにより手作りされたジャンベです。
アフリカの1本の木をくり貫きし削り上げてナチュラルオイルが塗られ、仕上げられております。
インドネシアのジャンベのボディは機械で大量に削り上げられるものがほとんどですが
出品のジャンベは手(刃物)で掘り、手で削り上げられ、木割れがおきない様に何度もの乾燥工程を経て作られるジャンベです。
製造工程からも深みがある太鼓です。
項目 | 内容 |
---|---|
樹木の材質 | イロコ |
リングの材質 | 鋼鉄製 |
打面直径 | 約35cm |
トップリング外径 | 約38.5cm |
高さ | 約62.5cm |
重さ | 約8.5kg |
樹の材質についての解説記事
ジャンベ用のロープ
ロープは皮に強いテンション(張力)をかけるので、丈夫で伸びない材質でなければなりません。
張替え回数が4~5回ともなると強度が落ちてくるので、交換したほうが良いです。
このような良質なロープは西アフリカでは生産されていないので、一般にヨーロッパからの輸入品を使っています。
色は、無難な黒が多いです。
実は、この手の合成繊維のロープ技術が世界で最も優れているのは、日本製なのです。
今回購入したシェルについていたロープも上の写真で分かるように黒でしたが、せっかく張り替えるのですから、見栄えがするように、日本製の「ゴールド+グリーン」の鮮やかなロープに交換しました。
20m購入して、2,800円の出費でした。
以下は販売店の説明です。
被覆は耐久性・伸縮性に優れたポリエステル16打。
芯線には耐切断性にすぐれたナイロンを使用。
被覆と芯線の材質の組み合わせ、被覆の編みパターン等、当店で考案たオリジナルロープです。
信頼性、扱いやすさ、コストを兼ね備え、視覚的にもジャンベに合って他には無い物をと思い、試作を重ねて仕様・デザインを決定しています。
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ジャンベ用の山羊皮
ジャンベ用の皮は西アフリカ原産のものに限ります。
牛皮を張る人もいますが、音質が重くなるので、やっぱり山羊の皮でしょうね。
山羊の皮は、予め発酵処理や毛剃処理などで毛を除去した製品もありますが、今回は側面に毛を残してワイルドな仕上げにしたかったので、毛付きの皮を選びました。
約6,700円でした。
販売店による仕様書
重さ:315g
厚:集め
産地:セネガル産
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完成品
シェル 9,000円
ロープ 2,800円
山羊皮 6,700円
合計 18,500円
14インチの堂々たるジャンベが、格安で出来上がりました。
これらの材料を使って、皮を張り上げた様子は、こちらの記事にまとめています。
組み上がった完成品はこれです。
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